日本薬剤師会の山本信夫会長は7日に開いた今年初の定例会見で、3月13日に予定している次期会長候補選への出馬について、「自分の中でも整理がつかない」としながらも、厚生労働省の「健康サポート薬局」や「患者のための薬局ビジョン」を実現するための土台が「固まりつつあるが、脆弱な部分もある。揺るぎないものにするため、最大限の努力をしたい」と、2期目の続投に前向きともとれる発言をした。
薬局ビジョンでは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年までに「すべての薬局がかかりつけ機能を持つことを目指す」との方針が示されており、厚労省は同年をメドに約1万軒が健康サポート薬局になることを想定している。
薬局ビジョンの具現化については、昨年10月の定例会見で山本氏は2018年度の医療・介護報酬同時改定から2年後の20年度改定あたりが「階段で言えば踊り場になる」との見解を示している。
この日の会見では、改めて「3~5年後には階段の踊り場に行けるようにしなければならない」とし、「そのための土台づくりをするのが団体を束ねる者の仕事」と強調。
現在の土台について、「不十分ではないが、満足するというところまでは行っていない」との認識を示し、より強固にするため、「なお努力したい」と述べた。
また、日薬の会長は、政治団体である「日本薬剤師連盟」の会長も兼務することになっているため、石井甲一副会長は、7月の参院選で日薬連盟が組織内候補として藤井基之氏を擁立していることを考慮すると、「連盟が執行部を変えていたら選挙にならないだろう」と付け加えた。
一方、会長に就任してからの1年半については、会館建設以外の公約は、「まだ十分に満足のいくものではない」としつつも、「行政や他団体、政界も含めて関係の改善はうまく動き出している」と振り返った。