院内感染症の原因であるCDIの発症予防が目的
サノフィ株式会社は1月7日、国内でクロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium Difficile Infection:CDI)の発症予防を目的として現在開発中のワクチンについて、安全性、免疫原性、および有効性を検証する第3相臨床試験を開始したと発表した。
クロストリジウム・ ディフィシルは、生命が脅かされる可能性のある消化管感染症の原因となる芽胞形成細菌。CDIのリスクとして、年齢や抗生物質の使用、入院や介護関連施設入所期間の長さに関連して上昇することが知られており、複数の感染例が発生して集団感染に発展する可能性もある。クロストリジウム・ディフィシルは、世界的に問題となっている、生命が脅かされる可能性がある医療関連感染症の主要原因菌であり、このワクチンは、CDIのリスクが高い人々の発症予防を目的として開発されている。
CDIは20~30%の患者で再発するため、再入院や入院期間の延長が必要となる患者がいまだ多いのが現状。アジア地域で行われたクロストリジウム・ディフィシルの研究は数多くないが、今までに行われた研究から、CDIはアジア地域の院内感染症の主な原因のひとつであることが明らかにされている。
20か国の1万5,000人対象
同社が開発中の同ワクチンは、この細菌が放出する腸の炎症や下痢を引き起こす毒素に対する中和抗体を誘導するようにデザインされており、今回の第3相臨床試験は、このワクチンが発揮する感染予防効果を検証する目的で計画された。
同試験では、国内で、無作為化評価者盲検プラセボ対照多施設共同国際試験への参加者組み入れを開始した。20か国以上の200の医療施設で最大1万5,000人の成人を対象に行う予定。過去1年間に入院の経験があり抗生物質の全身投与歴がある、または今後入院予定の50歳以上の患者が参加している。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース