対象品目は2014年度売上収益全体の7%
武田薬品工業株式会社とイスラエルのTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(テバ社)は2015年12月28日、同年11月30日付「テバ社と武田薬品による日本における合弁会社設立に関する基本合意契約締結について」で公表した合弁会社の概要について、追加情報を公表した。
2016年4月以降に設立される合弁会社は、日本の患者や医療関係者に対し、武田薬品の日本における企業ブランドと強固な流通網、テバ社の広範な製品群と最先端のビジネス効率を生かしながら、テバ社の高品質なジェネリック医薬品と武田薬品から承継する一部の長期収載品を届けるとしている。
追加情報によると、武田薬品が2016年度に合弁会社への移管を予定している主な長期収載品は、「ブロプレス」、「タケプロン」、「ベイスン」など。該当する長期収載品の2014年度売上実績は1250億円で、武田薬品連結の売上収益全体に占める割合は7%だった。現在の想定としては、武田薬品の2016年度売上収益全体への移管による減収影響は約500億円の見込み。前立腺がん治療剤「リュープリン」は移管の対象としていない。
業績影響は5月公表予定
合弁会社は、「武田テバファーマ株式会社」と「武田テバ薬品株式会社」で構成され、テバ社が51%、武田薬品が49%を所有する。両社の設立には、吸収分割の手法を用いるといい、テバ製薬株式会社および大正薬品工業株式会社と武田薬品の間における三角吸収分割になる。
具体的には、分割会社である武田薬品は長期収載品事業を承継会社である大正薬品に承継し、その対価として大正薬品の親会社となるテバ製薬の株式の交付を受ける形。武田薬品の長期収載品事業を承継すると共に継続してジェネリック医薬品事業を営む大正薬品の名称が武田テバ薬品株式会社(英文表記:Teva Takeda Yakuhin Ltd.)、継続してジェネリック医薬品事業を営むテバ製薬の名称が武田テバファーマ株式会社(英文表記:Teva Takeda Pharma Ltd.)となり、両社が一体となって新たな事業を推進していくとしている。
EPS及びキャッシュ・フローについては、2016年度以降もジェネリック医薬品事業の伸長と、武田薬品とテバ社による合弁会社へのさらなる製品投入により、長期にわたる漸増が見込まれる。また、テバ社のnon GAAP EPSは、2016年に直ちに増加し、以降も増加することが見込まれるという。すべての業績影響は、武田薬品の2016年度の連結業績予想に織り込み、2016年5月に公表する予定となっている。
▼関連リンク
・テバ製薬株式会社 プレスリリース