切除不能、転移性の悪性黒色腫に対する効能・効果として
MSD株式会社は12月22日、免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)「ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)」について、切除不能または転移性の悪性黒色腫に対する効能・効果で製造販売承認申請を提出したと発表した。
同剤は、抗腫瘍作用を有する活性リンパ球に主に発現するPD-1と、腫瘍細胞に主に発現するリガンドPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体。PD-1受容体に結合して受容体リガンドとの相互作用を阻害することによって、抗腫瘍免疫応答を含むPD-1経路を介する免疫応答の阻害を解除する。
国内で膀胱がん、乳がんなどに対する臨床試験進行中
同剤は、米国食品薬品局(FDA)による進行性悪性黒色腫、および非小細胞肺がんに対する「画期的治療薬」(Breakthrough Therapy)指定を受けて迅速承認され、マイクロサテライト不安定性を高頻度に認める(MSI-H)転移性大腸がんに対する画期的治療薬にも指定されている。欧州でも、進行性悪性黒色腫に対して承認を取得し、現在、30種類を超えるがん腫に対する開発と160以上の臨床試験が世界各国で進行中となっている。
国内では、膀胱がん、乳がん、胃がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、大腸がん、ホジキンリンパ腫の適応症に対して臨床試験が進行中。治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果については、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」施行後初めての対象品目のひとつに指定されている。
皮膚がんの一種である悪性黒色腫は、国内で約5,000人が罹患し、年間約650人が死亡している。切除不能または転移性の悪性黒色腫の予後は依然として悪く、治療の選択肢も限られているため、新たな治療薬の開発が必要とされている。
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・MSD株式会社 ニュースリリース