「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」として
ブリストル・マイヤーズ株式会社とファイザー株式会社は、共同で開発を行った経口抗凝固薬FXa阻害剤「エリキュース(R)錠2.5mg、同5mg」(一般名:アピキサバン)について、「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症、VTE)の治療及び再発抑制」の新たな効能・効果の承認を取得したと発表した。
エリキュースは「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」の適応で2012年11月に欧州連合(EU)、2012年12月にカナダ、日本、米国などで承認。「VTEの治療及び再発抑制」での適応は、EUでは2014年7月、米国では2014年8月にそれぞれ承認されている。
今回の国内におけるVTEの治療及び再発抑制の新たな効能・効果の承認は、海外第3相試験のAMPLIFY試験および国内第3相試験のAMPLIFY-J試験などのデータを根拠としている。
標準治療と比較した臨床試験結果で有効性、安全性を確認
急性症候性VTE患者を対象としたAMPLIFY試験では、1回10mgを1日2回(BID)、7日間経口投与した後、1回5mg BIDを6か月間投与する群では、海外の標準治療であるエノキサパリン/ワルファリンを投与する群に対して、主要有効性評価項目である症候性VTEの再発またはVTE関連死について非劣性を示した(2.3% vs. 2.7%、相対リスク0.84、95% CI:0.60 – 1.18、非劣性に関してP <0.0001)。主要安全性評価項目である大出血の発現リスクについては、標準治療に対し69%低下し、優越性を示した(0.6% vs. 1.8%、相対リスク0.31、95% CI:0.17 - 0.55、優越性に関してP<0.0001)。
日本人の急性症候性VTE患者を対象としたAMPLIFY-J試験でも、主要評価項目として設定された大出血または臨床的に重要な非大出血事象の発現割合で、日本の標準治療である未分画ヘパリン/ワルファリンと比較して、エリキュースは良好な結果を示し、VTE患者での安全性および有効性において、海外で実施されたAMPLIFY試験と同様の結果が得られたとしている。
新たな効能・効果における用法・用量は、「通常、成人にはアピキサバンとして1回10mgを1日2回、7日間経口投与した後、1回5mgを1日2回経口投与する」。今回の追加承認により、国内での非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制とともにVTEの治療及び再発抑制に新たな選択肢を提供することになるとしている。
▼関連リンク
・ファイザー株式会社 プレスリリース