百日咳菌遺伝子検出試薬として、国内初の体外診断用医薬品
栄研化学株式会社は12月21日、百日咳菌遺伝子検出試薬としては国内で初めての体外診断用医薬品となる「Loopamp(R)百日咳菌検出試薬キットD」を発売した。
画像はリリースより
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)の気道感染により引き起こされる急性呼吸器感染症。通常、感冒様の症状から始まり、次第に咳が著しくなって、百日咳特有の咳発作が長期間持続する。
ワクチン接種前の乳幼児が感染することによる重症化や、成人が罹患した場合、症状が軽度で診断がつかないまま集団感染、院内感染あるいは乳幼児に対する感染源となることが指摘されている。現在の主な検査法は培養法と血清学的検査があるが、時間や感度に課題があり、精確で迅速な検査が望まれていた。
DNA抽出後、LAMP反応時間40分で百日咳菌を検出
同社は、2011年3月に研究用試薬としてLAMP法による「百日咳菌検出試薬キット」を発売し、地方衛生研究所などで使用されていた。発売以来、数多くの医療関係者から体外診断用医薬品化の要望を受け、今回、「Loopamp百日咳菌検出試薬キットD」を発売することとなった。
同製品は、研究用試薬である従来品をベースに、試薬を乾燥化することにより試薬調製が不要となり、操作性が大幅に改善されている。後鼻腔拭い液を検体とし、検体からDNA抽出した後、LAMP反応時間40分で百日咳菌を高感度に検出することが可能。ただし、増幅・検出には、リアルタイム濁度測定装置「LoopampEXIA(R)」が必要となる。
同社では、この製品が、医療機関における百日咳の診断補助ツールとして迅速な確定診断を可能とし、新生児やワクチン未接種の乳幼児の重症化を未然に防ぐなど、医療に貢献できるものと期待を寄せている。
▼関連リンク
・栄研化学株式会社 ニュースリリース