たたき台では、初収載の後発品薬価について、今年の薬価調査の結果をもとに調べると、内服薬の薬価が全体で28.3%下落し、注射薬でも28.0%と大きく下落していたことから、一律に先発品の0.5がけ(0.4がけ)とし、バイオ後続品は現行の0.7がけを維持する。後発品の価格帯は、長期収載品を基準に3価格帯を維持し、2016年度改定後の状況を踏まえ、さらなる価格帯の集約を検討する。
長期収載品の薬価は、政府の17年央の70%目標を踏まえ、特例引き下げの対象となる後発品の置き換え率を「30%未満」「30%以上~50%未満」「50%以上~70%未満」に引き上げる。
基礎的医薬品については、▽薬価収載から25年以上経過し、成分全体および銘柄の乖離率が全ての既収載品の平均乖離率以下▽一般的な指針に記載され、広く医療機関で使用など汎用性のあるもの▽過去の不採算品再算定品目、古くから医療の基盤となっている病原性物に対する医薬品、医療用麻薬――の全ての要件を満たす品目対象に、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約した上で、その薬価を維持する試行的取り組みを16年度改定で開始する。ただ、十分な収益性が見込まれる品目は対象外。
市場拡大再算定は、年間販売額が1000億~1500億円以下で予想販売額の1.5倍以上、1500億円以上で1.3倍以上の品目は、特例的に市場拡大再算定(特例再算定)の対象とし、特に1500億円以上の場合、薬価を最大で50%引き下げる。特例再算定の類似品は、特例対象品を根拠に算定された品目に限るとした。
特例再算定は、製薬企業の経営に大きな影響を与えるだけに、加茂谷佳明専門委員(塩野義製薬常務執行役員)は「例外的に別枠のルールとして、国民皆保険制度に大きな影響を与えかねない品目に限定して適用してほしい」と要望。厚労省医政局の大西友弘経済課長も、企業活動に与える影響が大きいとして限定的な適用となるよう検討を求めたが、特例再算定の導入は確実な情勢となった。
また、新薬創出等加算は試行を継続する。先駆け審査指定制度加算は、指定品目を同加算か原価計算方式の営業利益率で評価し、加算率は「10%」を原則としつつ、国内臨床試験の成績を踏まえて最大で「20%」まで加算できるようにする。
新規性の乏しい医薬品については、類似薬効比較方式IIの除外規定である、最も早く薬価収載された医薬品の収載日から3年以内との承認時期を撤廃する。後発品対策と考えられる新薬は、補正加算に該当しない、既収載品の収載後5年以降に薬価収載されるなどの要件を全て満たす場合、既収載品の0.8がけとする。