最高裁、PBPクレームが特許要件に適合するか再度判断要求
協和発酵キリン株式会社は12月16日、イスラエルのテバ ファーマスーティカル インダストリーズ リミティドの子会社であるハンガリー法人テバ ジョジュセルジャール ザートケルエン ムケド レース ベニュタールシャシャーグ(テバ社)との間で係争していたテバ社保有のプラバスタチン ナトリウムに関する特許3737801号にかかわる特許権侵害訴訟が、12月16日に終了したと発表した。
同件は、今年6月に最高裁より言い渡された知的財産高等裁判所(知財高裁)大合議判決を破棄し、事件を知財高裁に差し戻す旨の判決を受け、知財高裁に係属していたもの。
最高裁判決は、同社が同件特許を侵害していると判断したものではなく、テバ社が保有する特許発明が、プロダクトバイプロセス(PBP)クレームで記載されているところ、PBPクレームが「発明が明確であること」という特許要件に適合するかを再度判断させるため差し戻す、というものだった。
知財高裁でテバ社の特許無効を主張
すなわち、最高裁は、PBPクレームが許容されるのは「出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情が存在する」場合に限られ、そのような事情がない場合は、特許法36条6項2号の「発明が明確であること」という要件を充足しないことにより無効であると判示。同件発明が「発明が明確であること」という要件に適合するか再度判断することを知財高裁に求めていた。
協和発酵キリンは知財高裁において、同件特許を侵害していないこと、および最高裁が示したPBPクレームの基準に照らせば、同件特許は無効であることは明白であると主張していたところ、テバ社は12月16日の期日において、請求を放棄する旨を陳述したため、同日に同件訴訟は終了した。今回の訴訟終了により、協和発酵キリンは今後、同件特許権に基づく権利行使を受けることはない。
同社は今回の訴訟終了を受け、今後も不合理な権利主張に対しては断固とした態度で挑んでいくとしている。
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・協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース