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ALK阻害剤「アレセンサ」、FDAが優先審査指定から3か月で迅速承認-中外製薬

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2015年12月17日 AM06:00

クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がんが効能

中外製薬株式会社は12月14日、米国ロシュ・グループのジェネンテック社が、」(販売名:(R))について、米国食品医薬品局()から「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とした承認を取得したと発表した。同社は、欧米をはじめとした海外でのアレセンサに関する権利をロシュ社に導出している。

同剤はクリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者への投与について、2013年6月にFDAより画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy Designation)を受けるとともに、2015年9月には優先審査品目にも指定された。

FDAの迅速承認は、重篤な疾患に対してアンメットメディカルニーズを満たす治療に関し、臨床的有用性を示す早期成績に基づいて、条件付きで承認するもの。同剤は、その奏効率と奏効期間に基づき、迅速承認された。効能・効果が継続的に承認されるには、検証試験により臨床的有用性を確認することが条件になる。

国際共同第3相臨床試験であるALEX試験を実施中

アレセンサは、中外製薬が創製したALKへの選択性が高い経口のALK阻害剤。非小細胞肺がん患者の2~5%でALK融合遺伝子の発現が報告されているが、この融合遺伝子が発現している細胞は恒常的にALKのキナーゼ活性が上昇しており細胞増殖が制御されず、細胞が腫瘍化していると考えられている。

同剤は、このキナーゼ活性を選択的に阻害することにより腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を発揮。さらに、薬剤を脳から能動的に排出するポンプである血液脳関門におけるトランスポーター蛋白に認識されないため、中枢神経系において活性があり、脳転移に対しても有効性が確認されている。

同社は、ALK陽性の進行非小細胞肺がんに対する一次治療として、アレセンサとクリゾチニブを比較するランダム化国際共同第3相臨床試験であるALEX試験を実施している。ALEX試験は、今回迅速承認された「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がん」を、一次治療から投与可能にするためのコミットメントの1つになるとしている。

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