cediranib・オラパリブ併用治療での副作用の管理支援が目的
英国のアストラゼネカ(AZ)は12月7日、cediranibとオラパリブとの併用治療中の再発プラチナ感受性高悪性度卵巣がん患者に対するデジタルサポートサービスを検証する計画を発表した。
cediranibは活性および選択性の高い経口投与VEGF-1、2および3受容体阻害剤で、プラチナ製剤感受性腫瘍型の血管新生における血管形成およびリンパ管形成を阻害することが示されている。オラパリブは革新的なファースト・イン・クラスの経口ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤で、DNA修復経路に異常をきたした細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導する。
同サービスは、AZと米国立がん研究所(NCI)との緊密な連携のもと、フランスのVoluntis社がシステムを開発。臨床医および患者のcediranib・オラパリブ併用治療に伴う副作用である高血圧および下痢の管理を支援することを目的としており、ウェブポータルと一対のスマートフォンのアプリにより提供される予定だ。cediranib・オラパリブ併用治療に伴う副作用は、従来はデジタル化されていない手書きの情報として医療チームへ説明されていたため、説明に多くの時間を要していたという。
患者自身による治療効果のより良い管理が可能に
アプリは、同社とNCIの協力的研究開発契約のもと、2016年第1四半期に開始されるNCI主導の3本の個別の臨床試験におけるコンパニオン機器として検証される。これは、新たな治療法を開発する際に、発病から受診・治療開始・退院後の生活などの一連の患者体験を理解することに焦点を置いた取り組みとなる。
同社は、このスマートフォンベースのアプリを使用することによって、患者が自身の治療および治療薬の効果をより良く管理できるようになると述べている。また、薬剤の用量変更および中止率をさらに低減させ、患者が自身の治療アウトカムを改善するための治療の維に寄与することも期待している。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース