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速やかな血糖降下作用と長時間の安定作用を実現する新規インスリン製剤「ライゾデグ配合注」発売

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2015年12月16日 PM03:15

」と「」の有効成分を混合

世界で初めて、持攻型溶解インスリンと超速効型インスリンを配合した溶解インスリンアナログ製剤「ライゾデグ(R)配合注 フレックスタッチ(R)」が発売されたことを受け、 ファーマ株式会社は12月8日、都内で糖尿病プレスセミナーを開催。川崎医科大学 内科学特任教授の加来浩平先生がライゾデグ配合注の臨床上の意義と期待について講演を行った。


川崎医科大学内科学特任教授の加来浩平先生

日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」では、治療戦略として、「経口血糖降下薬によっても目標の血糖コントロールが得られない場合はインスリン治療を行う」とある。ところが、2型糖尿病患者の中にはインスリン治療を開始しない人もいる。その理由として、加来先生は、医師側に「低血糖が心配」「血糖自己測定の痛み」「注射の痛み」「インスリンは体重増加を来す」などの懸念があることを挙げた。この背景には、以下のような実臨床におけるインスリン治療の問題点がある。

  • 効果が一定しない
  • 厳格な血糖コントロールに伴う低血糖
  • 体重増加
  • 利便性(皮下注、日常生活の制限など)の悪さからくるアドヒアランス不良
  • 一定の理解力が求められ、導入には制限が伴う

これらを解決するために開発されたのがライゾデグ配合注だ。10年以上使用され有用性評価が確立している「ノボラピッド(R)注」の有効成分「インスリン 」と、2013年に発売された「トレシーバ(R)注」の有効成分「インスリン 」が、3:7の割合で含有した溶解インスリンアナログ製剤となっている。

最大の課題である夜間の低血糖リスク減少で、患者のQOLに貢献

2型糖尿病を対象とした臨床試験(Treat to Target試験)によると、1日1回主たる食事の直前投与で対照薬である持効型インスリン(インスリン グラルギン)に対する非劣性(HbA1c)が検証され、かつ優越性も示されたと同時に、低血糖および夜間低血糖の発現頻度を高めないことが確認された。また、1日2回、朝・夕食直前投与で、低血糖および夜間低血糖の発現頻度を高めずに、対照薬である二相性インスリン アスパルトに対する非劣性(HbA1c)が検証されたという。

加来先生は、ライゾデグ配合注がインスリン療法にもたらす新たな可能性として、「安全かつ良好な血糖コントロールの達成と利便性の向上」を挙げた。「これまでは、夜間の低血糖が死亡率を上昇させ、一番問題だった」とし、ライゾデグ配合注が厳格な血糖コントロールに伴う低血糖リスクを減少させることを高く評価。1日1回、主たる食事の前に注射することになるが、そのタイミングを患者自身が選べることでアドヒアランスが向上するほか、「何よりも患者のQOL向上に貢献する」と主張した。

ライゾデグ配合注による治療強化の提案としては、「経口糖尿病薬で効果が不十分な患者は基礎インスリン製剤を開始するが、例えば朝食後など、どこかの食後血糖が高い場合は基礎インスリン製剤からライゾデグ配合注に切り替えることも可能」と指摘。さらに、「混合型インスリン製剤を2回投与している患者もライゾデグ配合注への切り替えが考えられる」と話した。

低血糖の発現頻度を高めず、より良い血糖コントロールの達成を可能にすると謳うライゾデグ配合注。糖尿病治療の新たな選択肢の1つとして、患者のQOLを高めることが期待される。

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