ポリファーマシー(多剤併用)改善の考え方やその対策が11日、都内で開かれた日本臨床薬理学会学術総会で討議された。登壇した総合診療医らは、「薬の数が多いことだけではなく、その中身が問題になる」「今の医学教育は、薬の足し算は得意だが、引き算は教えていない」「効果を優先して安全性を顧みることが不足している」などと説明。その改善に向け、各診療科に対する横断的なアプローチができる薬剤師の役割に期待感を示した。
医師の浜野淳氏(筑波大学病院医療連携患者相談センター総合診療グループ・緩和ケアセンター)は、高齢者に対して潜在的に不適切な処方を検出する「ストップクライテリア」を用いて、日本の在宅医療患者430人を対象にスクリーニングを行ったところ、在宅患者の約40%で不適切処方が認められたと報告。また、高齢者への使用が推奨される薬剤を示した「スタートクライテリア」でスクリーニングしたところ、在宅患者の約60%で本来投与すべき薬剤が投与されていなかったとした。