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「Empliciti」、多発性骨髄腫に対する初の免疫賦活性抗体としてFDAが承認-BMSとアッヴィ

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2015年12月14日 PM01:00

1~3種類の前治療歴持つ患者のERd併用療法として

米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアッヴィは11月30日、「」(一般名:)を多発性骨髄腫治療薬について、1種類から3種類の前治療歴を有する患者に対するレブラミド(一般名:)およびデキサメタゾン(Rd)との併用療法()として、米国食品医薬品局(FDA)から承認されたことを発表した。多発性骨髄ナチュラルキラー腫に対する免疫賦活性抗体として初めて、そして唯一の承認となる。

エロツズマブは、細胞表面の糖タンパクであるSignaling Lymphocyte Activation Molecule Family member 7(SLAMF7)を特異的に標的とする免疫賦活抗体。SLAMF7は染色体異常にかかわらず、骨髄腫細胞に発現する。また、(NK)細胞や形質細胞上に、そしてより低いレベルで造血系の分化細胞における特定の免疫細胞サブセットに発現するという。

同剤は、二重の作用機序で働く。SLAMF7経路を経由し、ナチュラルキラーを介して細胞免疫系を直接的に活性化。また、骨髄腫細胞上のSLAMF7をも標的とし、抗体依存型細胞毒性でナチュラルキラー細胞介在性破壊のために悪性腫瘍細胞にタグ付けするという。

・マイヤーズ スクイブとアッヴィはこの「Empliciti」を共同で開発しており、商業的活動はブリストル・マイヤーズ スクイブが単独で行っている。承認に先立ち、同剤は、FDAによりブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)に指定されていた。

Rdのみと比べ、2年にわたる有意なPFSベネフィット示す

今回の承認は、ERd併用療法がRdのみと比較して、病勢進行リスクまたは死亡リスクを 30%低減した(ハザード比0.70 [95%信頼区間:0.57,0.85;p=0.0004])、無作為化第3相臨床試験であるELOQUENT-2試験のデータを根拠としている。

主要評価項目は、ハザード比で評価される無増悪生存期間(PFS)、および奏効率(ORR)。 最低2年間の追跡調査期間中のERd群とRd群のPFS率は、1年時点がそれぞれ68%と 57%、2年時点がそれぞれ41%と27%となり、ERdが期間を通して有意なPFSベネフィットを示した。また、ERd群はORRで78.5%を達成し(95%信頼区間:73.6%-82.9%)、Rd群の65.5%(95%信頼区間60.1%-70.7%)に対し、ORRを有意に改善したという。有害事象による中止率は低く、ERdとRdで同等(6.0%に対して6.3%)だったとしている。

「Empliciti」は点滴静注用として、300mgおよび400mgバイアルで発売予定。なお、同剤は、欧州医薬品庁(EMA)でも審査中で、迅速審査の対象にもなっている。

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