医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 持効型インスリン製剤の開発中止発表-リリー

持効型インスリン製剤の開発中止発表-リリー

読了時間:約 1分11秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年12月11日 PM12:15

肝脂肪含量変化した潜在的影響の可能性解明のため

米国のイーライリリー社は12月4日、開発中の1型および2型糖尿病の治療薬であるbasal insulin )の開発を中止したことを発表した。

同剤は、1型および2型糖尿病に対する1日1回投与の治療薬として開発されてきた。肝優先的な作用を持つ持効型インスリンであり、末梢組織での効果がより少なく、他のインスリン製剤と比較して、より内因性インスリンに似た作用を示す。

同社によると、インスリングラルギンを対照として行われたBILの第3相IMAGINE試験では、肝脂肪含量の変化が観察された。その潜在的影響の可能性を明らかにするため、2月に米国規制当局への承認申請の延期を発表したとしている。IMAGINE臨床開発プログラムでは、1型および2型糖尿病患者6,000人以上を対象とし、そのうち約3,900人にBILが最大18カ月にわたって投与されたが、薬剤性肝障害またはHy’s Lawの症例は認められなかった。

ポートフォリオ、パイプライン強化のため、他の研究開発にフォーカス

同社はその後、数カ月にわたり、米国規制当局や社外専門家とともに、IMAGINE試験で認められた肝脂肪に関するデータをさらに詳しく理解するための開発計画について検討を重ねた。開発プログラムの中止は、新たな安全性シグナルが認められたためではなく、これらの検討の結果、他の有望な治療法の研究開発に集中すべきとの判断により決定されたとしている。

同剤の開発中止により、GAAP準拠およびGAAP非準拠の四半期の研究開発費用は5500万ドル(税引き前)、一株当たり約0.03ドル(税引き後)と推定される。今年度の業績は来年1月28日に発表する予定。

同社は今後、ポートフォリオ、パイプライン強化のために他の複数の製品の研究開発にフォーカスしていくとしている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待