閉経後女性の半数が発症する閉経後膣萎縮症の治療薬として
塩野義製薬株式会社は12月3日、同社米国子会社であるShionogi Inc.が、閉経後女性における中等度から重度の膣乾燥感に対する選択的エストロゲン受容体モジュレーター「Osphena(R)」(一般名:ospemifene)の第3相臨床試験を開始したことを発表した。
閉経後膣萎縮症は、閉経後女性の約半数が発症するとされる慢性かつ進行性の疾患。閉経に伴うエストロゲンレベルの低下により、膣粘膜内層が薄くなり弾力性を失う、いわゆる萎縮状態となる疾患だ。加えて、膣分泌物が低下することなどにより引き起こされる膣乾燥感は、性交痛と並んで閉経後膣萎縮症の不快な症状の一つとされている。
40~80歳の閉経後女性600人対象に試験
同試験は、この膣乾燥感に対するOsphena(1日1回60mg、12週間)の有効性ならびに安全性について検証するもの。40歳から80歳の閉経後女性約600人を対象とした無作為抽出で、プラセボ対照二重盲検比較試験として行われている。
同剤は、同社グループが閉経後膣萎縮症に伴う性交痛の治療薬としてFDAより承認を取得した唯一の経口選択的エストロゲン受容体モジュレーター。2013年6月より米国にて販売を開始した。欧州では、同社の欧州子会社Shionogi Limited(英国ロンドン)が、膣乾燥感を含めた中等度から重度の閉経後膣萎縮症を適応症として、2015年1月に販売承認を取得し、「Senshio(R)」の製品名で販売している。
同社は、今回の試験によって得られる結果が、米国において閉経後膣萎縮症に伴う膣乾燥感に悩む患者への新たな治療選択肢の提供につながることを期待している。
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・塩野義製薬株式会社 プレスリリース