扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療における第1相試験のデータに基づき決定
米国のEli Lilly and Company(イーライリリー)とMerck&Co.,Inc.,Kenilworth, N.J.,U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は米国現地時間の11月19日、非扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療におけるリリーの「アリムタ(R)注射用」(一般名:ペメトレキセド)と「KEYTRUDA(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法の安全性および有効性を評価するため、第3相検証試験での提携を拡大することを発表した。
同試験は、Merck&Co.,Inc.Kenilworth,N.J.,U.S.A.が治験依頼者として実施。PD-L1発現の有無にかかわらず、一次治療の適応となる非小細胞肺がん患者を対象としている。
今回のがん臨床試験での提携拡大は、今年の第16回世界肺癌学会において発表された非扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療におけるアリムタ、カルボプラチンおよびKEYTRUDAの併用療法を評価した第1相試験の有望なデータに基づき決定したという。
非小細胞肺がん患者の新たな選択肢となる可能性
アリムタは、一次治療において白金製剤を含む併用化学療法における標準的な治療選択肢の1つであり、がん免疫併用療法の研究で理想的な候補となっている。KEYTRUDAは、体内の免疫系システムががん細胞を見つけて攻撃することを助けるヒト化モノクローナル抗体で、PD-1とそのリガンドPD-L1およびPD-L2との結合を阻害してTリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃するという。現在、ある特定の非小細胞肺がんに対する単独療法としてFDAより承認されている。
今回の提携から、がん免疫療法の研究提携の拡大によって併用療法に重点を置いた戦略が強化されることになる。がん免疫併用療法により、非小細胞肺がん患者の新たな選択肢になる可能性に期待が寄せられている。
なお、両社は今回の試験のほか、最初の提携合意に基づき「複数のがん種に対するラムシルマブとKEYTRUDAの併用療法を検討する第1/2相試験」、「非小細胞肺がんに対するnecitumumabとKEYTRUDAの併用療法を検討する第1/2相試験」も進行中だ。
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・MSD株式会社 ニュースリリース