日本国内でも12月初旬より出荷を調整中
グラクソ・スミスクライン株式会社は12月3日、前立腺肥大症治療薬「アボルブ(R)カプセル0.5mg」(一般名:デュタステリドカプセル)の出荷調整に関する追加情報を発表した。
同剤は、委託製造工場であるフランスのキャタレント社ベインハイム工場が、フランス当局の指摘を受けたことにより、現在新たな生産が停止している状況だ。また、同工場で生産された製品については、現時点での措置として、原因究明ならびに影響の範囲が明確になるまでの期間、全世界的に出荷を調整している。そのため日本国内でも「アボルブ」の出荷に影響が出ることが明らかとなり、今月初旬より特約店への出荷を調整せざるを得ない状況となったことを先日発表したところであった。
この出荷調整について、現地では引き続き調査中だが、今回は、現段階で得られた最新情報について報告をした形だ。
フランス当局が異なる製品のカプセル混入原因を調査中
報告によると、フランス当局(ANSM:フランス国立医薬品・医療用品安全管理機構)は、今年11月12~13日に行ったキャタレント社のべインハイム工場における工場査察の際、一製品のソフトジェルカプセルが別の製品に混入したという逸脱について指摘を行い、同工場のGMPライセンスを一時停止した。異なる製品のカプセルが混入した原因については、現在もフランス当局により調査が行われており、同時にフランス警察当局により、刑事上の調査も進行中だという。現時点では、これ以上の詳細は入手できておらず、新たな情報が入手でき次第あらためて報告するとしている。
工場査察により、ANSMは同工場で6月20日以降に生産されたCombodart(デュタステリドとタムスロシンの配合剤、日本では未承認)について、フランス市場での2バッチの回収を指示した。GSKグローバルでは、現時点での最善の措置として、今回の問題の原因究明ならびに影響の範囲が明確になるまでの期間、全世界的に6月20日以降に同工場で生産された製品は、Combodartのみならずデュタステリド(アボルブ、ザガーロ)含めすべての製品の出荷を停止。現在国内において流通しているアボルブは、6月20日以前に生産されたものであり、ANSMの判断に基づいて品質は問題ないと判断しているという。
GSKは一刻も早い出荷調整解除に向けて努力しているが、現段階では、ANSMによるキャタレント社ベインハイム工場の一時停止解除が認められない限り、同工場による製造開始のめどは立たず、出荷停止を継続せざるを得ない状況だという。今後の出荷調整解除の見込みは、分かり次第改めて報告したいとしている。