MRI検査での広視野・高臨場感映像の表示を実現
株式会社東芝と東芝メディカルシステムズ株式会社は11月30日、MRI検査装置の検査空間であるボア内に設置したドーム型スクリーンにプロジェクターから映像を投影することで、検査空間を感じさせない広視野バーチャル映像表示技術を開発したと発表した。この技術は、11月29日からシカゴで開催された「第101回北米放射線学会(RSNA)」で参考展示された。
画像はリリースより
MRI検査装置のボア内には、寝台の位置に応じて動く半透過ドーム型スクリーンを設置。スクリーンは、同社が研究開発してきた車載用ヘッドアップディスプレイや超高臨場感用頭部搭載型ディスプレイの基盤技術が活かされている。
物体の色や形状を処理する中心視野に加えて、空間の奥行や広がり、動きを処理する周辺視野に映像刺激を与え、視野角60度以上の広視野・高臨場感映像を実現。患者は磁界の影響が及ばないMRI検査装置の後方に設置したプロジェクターから、ミラーに反射されたその映像を見ると、実際のボア内カバーより遠くに映し出されているように感じられ、広々としたバーチャル空間を得られるという。
閉所や騒音に対する患者の不安を軽減
検査前には、ドーム型スクリーンはボア入口に位置して映像を表示しており、トンネル構造が見えないため検査への不安を軽減する。また、検査開始時には、ドーム型スクリーンが寝台と連動してボア内に移動することで、患者は常に一定の映像を見続けることができ、閉所であるボア内へ入り込む感覚を低減できるという。検査中はミラーに反射された映像とボア内カバーに投影された高臨場感映像が患者の視野内に入るため、広々とした明るい空間を実現している。
両社はこれまで、MRI検査を受ける患者の狭い空間や騒音による不安を軽減するため、直径71cmの大口径オープンボアや、検査時の騒音を低減するPianissimo(TM)機構を開発し、製品化してきた。
今後は、患者がボア内で検査していることを忘れてしまうようなリラックス空間を提供するため、騒音低減技術を融合させ、早期の実用化を目指していきたいとしている。
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・東芝メディカルシステムズ株式会社 ニュースリリース