難治性の悪性軟部腫瘍の効能・効果で製造販売承認取得
大鵬薬品工業株式会社は11月26日、抗悪性腫瘍剤「ヨンデリス(R)点滴静注用0.25mg/同1mg」(一般名:トラベクテジン)が薬価収載されたことを発表した。発売は、12月7日を予定している。
同剤は、スペインのファーママー社が創製した抗悪性腫瘍剤。大鵬薬品工業は、ファーママーと国内での開発・販売に関するライセンス契約を2009年に締結後、同剤の開発を行い、今年9月に「悪性軟部腫瘍」の効能・効果で製造販売承認を取得した。
悪性軟部腫瘍は、身体の軟部組織(筋肉、結合組織、脂肪、血管リンパ管等)に発症する難治性悪性腫瘍。日本での年間罹患率は10万人あたり2~3人程度で、推定患者数約5,000人の希少疾病とされている。
ホヤの一種から単離された天然物で、合成方法を確立
同剤は、元々はカリブ海産のホヤの一種Ecteinascidia turbinata(エクテインアシジア・トゥルビナータ)から単離された天然物 (3つのテトラヒドロイソキノリン環を有するアルカロイド化合物)で、現在は合成方法を確立。DNAに結合し、細胞分裂、遺伝子転写、DNA修復機構を妨げることで効果を示す薬剤だ。
2007年9月に欧州で「アントラサイクリン系薬剤およびイホスファミドに無効、又はこれらの薬剤の投与に適さない成人の進行悪性軟部腫瘍の治療」の効能・効果で承認された。世界では、米国、欧州、南米、アジアなど78の国・地域で承認されている。
大鵬薬品工業は、アンメット・メディカル・ニーズの高い悪性軟部腫瘍に対して、同剤が新たな治療選択肢の1つになることを期待している。
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・大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース