ゼノアック社が12月1日より販売開始
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月25日、幹細胞評価基盤技術研究組合の組合員であるゼノアックリソース株式会社が、国立成育医療研究センターや産業技術総合研究所と共同で、ジメチルスルホキシド(DMSO)を使用しない細胞凍結保存液を開発したと発表した。同製品は、ゼノアックリソースが商品化、12月1日に販売を開始する。
画像はリリースより
同機構は、「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」において、医療の場に供される再生医療製品を安全かつ安価に製造・加工するための、各プロセスが連携した製造システム構築に関する研究開発を実施してきた。現在、世界的に間葉系幹細胞の再生医療への実用化研究が進む中、より高品質な細胞原料を供給するための幹細胞評価技術、自動培養技術、分離・精製技術および保存技術の要素を重点的に開発することを目的として推進している。
間葉系幹細胞を始めさまざまな細胞に適応可能
今回の開発にあたり、ゼノアック社は細胞凍結保存に関する技術を応用し、既知成分からなるXeno-フリー(ヒト以外の動物成分が含有されていない)の概念を満たす最適なDMSOフリータイプの凍結保存液の処方検討を行ってきた。
また、研究期間中にGood Manufacturing Practice(GMP)生産体制を整え、GMPに準拠した製品化を達成できるよう進めていた。産業技術総合研究所や国立成育医療研究センターなどの複数施設において行われた評価試験では、このDMSOフリー・GMPグレードの凍結保存液が様々な間葉系幹細胞を良好な状態で凍結保存できることが示され、予定よりも早期に生産体制および製品化の目標を達成できたという。
同製品は、間葉系幹細胞を始め様々な細胞に適応可能。ケミカリーディファインド(化学的に定義された既知成分からなる)処方でXeno-フリーの概念を満たしているだけでなく、これまで以上に品質の高い製品が供給できるため、バイオテクノロジーや細胞の保存・輸送の品質管理が必須となる再生医療分野で大きく貢献できるものと期待される。
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・新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース