「EvaluatePhama(R) ワールドプレビュー2015」第8版(日本語版)を発表
英国ロンドンに本社を置き、ライフサイエンス分野におけるマーケット情報及び分析を行うEvaluate(エバリュエート)社は11月25日、都内でメディアラウンドテーブルを開催。同社のアレキサンダー・カールCEOと同社日本法人エバリュエート ジャパン株式会社の山崎浩史ディレクターが講演した。
エバリュエート社 アレキサンダー・カールCEO
同日、同社は今後5年間の日本国内ならびにグローバルの医薬品市場を予測するレポート「EVALUATEPHARMA(R)ワールドプレビュー2015 2020年への展望」第8版(日本語版)を発表。カールCEOは「日本は我々にとって重要な市場。皆さまのニーズに合わせてカスタマイズした情報を届けていきたい」と抱負を述べた。
現在、世界の医薬品市場はパテントクリフを脱し、成長曲線をたどっている、と山崎氏は同日発表されたワールドプレビューのハイライトを解説。「全世界における処方せん薬の売り上げは、約1兆ドルに達する見込み。2014年から2020年までの年平均成長率は+4.8%と予想されている」と語った。
2020年のトップ20社、内資メーカーは武田薬品工業のみと予測
このレポートでは、2020年の処方せん薬売り上げ1位としてノバルティスが挙げられている。これは6月の時点での予測であり、先日明らかになったファイザーとアラガンの合併による影響は含まれていない。内資メーカーとしては武田薬品工業が20位で唯一のランクインとなった。年平均成長率では、アラガンが+17%、セルジーンが+14%と、高い成長率が見込まれている。
2020年の医薬品研究開発費の1位にもノバルティスと予測され、その研究開発費は105億ドルに達するとしている。売り上げで上位の成長率を誇ったセルジーンは、開発費でも+10%と予想された。また、研究開発費の売り上げに占める研究開発費の割合は、全企業の平均が16.3%であったのに対し、トップ20社では19.9%。山崎氏は「業界全体として生産性を高めていく動きはあるが、トップ企業ほどよりリスクをかけて投資をしていく」と語った。なお、売り上げと同じく、ファイザー・アラガンの合併は加味されていない。
最後にカールCEOは、「過去5年間を振り返っても多くのM&Aが行われた。その推進力となったのがファイナンシャルエンジニアリング。例えば、本社をアイルランドに移すことで10%の節税効果があるといわれている。今回のファイザーのアラガン買収もそれが大きな要素としてとらえられている。アメリカ政府は規制を強化するとの見方があるが、今後もM&Aは活発に続くだろう」と業界再編の展望を語った。
なお、「EVALUATEPHARMA(R)ワールドプレビュー2015 2020年への展望」第8版(日本語版)はエバリュエート社のウェブサイトから無料ダウンロードが可能だ。