医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 英市場調査会社エバリュエート社のカールCEOが来日、「今後もM&Aは活発に続く」

英市場調査会社エバリュエート社のカールCEOが来日、「今後もM&Aは活発に続く」

読了時間:約 1分52秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年11月26日 AM10:30

「EvaluatePhama(R) ワールドプレビュー2015」第8版(日本語版)を発表

英国ロンドンに本社を置き、ライフサイエンス分野におけるマーケット情報及び分析を行うEvaluate(エバリュエート)社は11月25日、都内でメディアラウンドテーブルを開催。同社のアレキサンダー・カールCEOと同社日本法人エバリュエート ジャパン株式会社の山崎浩史ディレクターが講演した。


エバリュエート社 アレキサンダー・カールCEO

同日、同社は今後5年間の日本国内ならびにグローバルの医薬品市場を予測するレポート「EVALUATEPHARMA(R)ワールドプレビュー2015 2020年への展望」第8版(日本語版)を発表。カールCEOは「日本は我々にとって重要な市場。皆さまのニーズに合わせてカスタマイズした情報を届けていきたい」と抱負を述べた。

現在、世界の医薬品市場はパテントクリフを脱し、成長曲線をたどっている、と山崎氏は同日発表されたワールドプレビューのハイライトを解説。「全世界における処方せん薬の売り上げは、約1兆ドルに達する見込み。2014年から2020年までの年平均成長率は+4.8%と予想されている」と語った。

2020年のトップ20社、内資メーカーは武田薬品工業のみと予測

このレポートでは、2020年の処方せん薬売り上げ1位としてノバルティスが挙げられている。これは6月の時点での予測であり、先日明らかになったファイザーとアラガンの合併による影響は含まれていない。内資メーカーとしては武田薬品工業が20位で唯一のランクインとなった。年平均成長率では、アラガンが+17%、セルジーンが+14%と、高い成長率が見込まれている。

2020年の医薬品研究開発費の1位にもノバルティスと予測され、その研究開発費は105億ドルに達するとしている。売り上げで上位の成長率を誇ったセルジーンは、開発費でも+10%と予想された。また、研究開発費の売り上げに占める研究開発費の割合は、全企業の平均が16.3%であったのに対し、トップ20社では19.9%。山崎氏は「業界全体として生産性を高めていく動きはあるが、トップ企業ほどよりリスクをかけて投資をしていく」と語った。なお、売り上げと同じく、・アラガンの合併は加味されていない。

最後にカールCEOは、「過去5年間を振り返っても多くのM&Aが行われた。その推進力となったのがファイナンシャルエンジニアリング。例えば、本社をアイルランドに移すことで10%の節税効果があるといわれている。今回のファイザーのアラガン買収もそれが大きな要素としてとらえられている。アメリカ政府は規制を強化するとの見方があるが、今後もM&Aは活発に続くだろう」と業界再編の展望を語った。

なお、「EVALUATEPHARMA(R)ワールドプレビュー2015 2020年への展望」第8版(日本語版)はエバリュエート社のウェブサイトから無料ダウンロードが可能だ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬