会議では、健康サポート薬局のあり方の中で、技能習得型研修や知識習得型研修など一定の研修を受けた薬剤師がいることが要件とされているが、森昌平副会長は「日薬としては健康サポート薬局のあり方をベースとし、現場の薬局にどんな研修が必要なのかというプログラムを作成している。来年度から都道府県でも、これに従った研修を事業計画の中に入れてもらいたい」と要請した。
一方で、薬局薬剤師が改めて、そうした研修を受けることの必要性を疑問視する意見も出された。これに対しては「薬局、薬剤師が持つ機能に、さらに健康サポートを充実したところを認めることになっている。経験がない人もいるということを含め、さらに上乗せする研修を行うということ」との考えを示し、理解を求めた。
また、「薬局ビジョン」や「健康サポート薬局」について森氏は「健康サポート薬局の検討会では日薬として議論をした中で考え方を主張してほぼ入った。ビジョンに関しても、日薬がこれまで検討してきたものが含まれていると認識している」と説明。また、山本信夫会長は「健康情報拠点推進事業の延長線で新たなものを作ったという意味では、ここ数年間、日薬を主に議論を進めてきたもの。本来であれば日薬がもっと早く出していればよかった」とした。
次期調剤報酬改定に向けては、財政審で現行の調剤報酬について、診療報酬本体とは別にゼロベースでの抜本的かつ恒常的な見直しが必要としている点について安部好弘常務理事は「調剤だけを特出して、別に改定を行うことはやめるよう求めており、その上で、医科1:調剤0.3の改定率の維持を要望している」と説明した。
また、中央社会保険医療協議会の議論の方向性について安部氏は「大きな方向性はかかりつけ機能が評価の軸。それから、そうではないところは評価するかどうかメリハリをつける方向性で議論が行われている」と説明した。
関連質疑では、調剤報酬改定で、かかりつけ薬局に点数配分されると、患者の一部負担金が、かかりつけ機能のない薬局で安くなるような傾向となることに対する危惧が示された。これに対して「調剤基本料の特例など逆インセンティブに働くものがあった。今回は、“かかりつけ”ということで、患者が一番信頼できる薬局薬剤師を選び、そこで一元的に管理することで安全性が保てるが、費用負担が増える問題はある。これについては繰り返し、同じ薬局を活用した場合に、逆インセンティブが起きにくい方式がないのかと考えている」とした。
財政審での議論について山本氏は「財務省の考え方。医薬分業をやめるという言及はない。ただ、薬剤師の仕事はピッキングのみで、そこに点数はやれないというのが財務省の意見。日薬としては、少なくともこの形で進むのはおかしいと思っている。しかも非常に懲罰的であるし、偏っているのは十分に承知している。できる限りの抵抗はしていく」と表明した。