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政府、ゲノム医療の実用化推進―タスクフォースが初会合

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2015年11月20日 AM11:15

政府は17日、「ゲノム情報を用いた医療の実用化を推進するためのタスクフォース」の初会合を開いた。個人の遺伝子情報などをベースに、疾患の診断や治療、予防に役立てるゲノム医療の実用化を進める上で必要となる法制度や環境整備を検討し、来年夏をメドに報告書をまとめる。会議であいさつした塩崎恭久厚生労働相は、「ゲノム医療は、わが国の医療のあり方を根本的に変える可能性が十分あり、期待は急速に高まっている」とし、「米国などと比較して若干後れを取っているかもしれないが、ここで一気に追いつくことをお願いしたい」と述べた。

タスクフォースは、政府の「健康・医療戦略推進会議」の「ゲノム医療実現推進協議会」のもとに設置。厚労省や内閣官房「健康・医療戦略室」、文部科学省、経済産業省が参画し、事務局は厚労省が担当する。

検討の範囲を「ゲノム情報を用いた医療およびビジネス」に設定し、当面の検討課題として、▽改正個人情報保護におけるゲノム情報の取り扱い(「個人識別符号」との関係、「要配慮個人情報」との関係)▽「ゲノム医療等」の質の確保(遺伝子関連検査の品質・精度の確保、遺伝子関連検査の結果の伝え方)▽「ゲノム医療等」の実現・発展のための社会環境整備(ゲノム情報に基づく差別の防止、データの管理と二次利用)――を挙げた。

12月末をメドに「改正個人情報保護におけるゲノム情報の取り扱い」、来年3月末をメドに「ゲノム医療等」の質の確保、同6月末をメドに「ゲノム医療等」の実現・発展のための社会環境整備について議論し、来夏に報告書を取りまとめる。

9月に成立した改正個人情報保護法では、指紋認識データや顔認識データなどの個人を識別できる文字や記号を「個人識別符号」と規定し、人種や信条、病歴など差別につながりかねないものを「要配慮個人情報」と定め、本人の同意なく取得したり外部提供したりすることを禁じている。

当面は、どのようなゲノム情報が「特定の個人を識別することができるもの」「要配慮個人情報」に該当するかを整理した上で、どのような形で科学的な観点での反映を担保するかについて議論する。

会議では、藤原康弘氏(国立がん研究センター企画戦略局長)が、現在でも、副作用を避けるため、患者が持っている遺伝子に応じて治療薬を使い分けるなどの取り組みが行われており、将来的には、収集したゲノム情報を活用した創薬研究なども見込まれることから、「レギュラトリーサイエンスの視点も必要になる」とし、医薬品医療機器総合機構と連携して議論を進める必要性を示した。

他の委員は、改正個人情報保護法では、学術研究目的での利用は適用外になっていることを踏まえ、臨床研究の位置づけについて「議論しておく必要がある」との認識を示した。

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