ドイツMEDICA2015に「SPFSイムノアッセイシステム」を参考出展
コニカミノルタ株式会社は11月16日、蛍光抗体法による高感度測定を可能にした免疫検査システム「SPFSイムノアッセイシステム」を開発したと発表した。同システムは11月16~19日の期間にドイツで開催されている世界最大の国際医療機器展「MEDICA」(メディカ)に参考出展された。
心筋梗塞や悪性腫瘍などの診断手段の1つに、標識抗体(蛍光マーカーと呼ばれる化学物質を結合させた抗体)を用いて、血液中の疾患に関連した特定バイオマーカー(タンパク質)を光らせて検出する蛍光抗体法がある。コニカミノルタは、長年写真フィルムやカメラの開発で培ってきた独自のコア技術がこの蛍光抗体法の高感度化に活用できると考え、「SPFSイムノアッセイシステム」の開発に取り組んできたという。
トロポニンを高感度に測定し、診断時間を大幅に短縮
胸痛で病院に救急搬送される急性心筋梗塞患者のうち、非ST上昇型急性冠症候群患者では、高感度検査により早期診断・治療を開始することで、治療後の回復時間が早まり死亡率の低下が期待される。しかし、心筋梗塞診断で使われているこれまでのトロポニン(心筋内に存在するバイオマーカー)検査は、診断に約6時間を要するとともに、精度に課題があると言われており、オーバークラウディングなど救急医療にとって大きな問題になっている。
コニカミノルタは、このトロポニンを高感度に測定し、診断の時間を約3時間まで大幅に短縮する小型装置とトロポニンを含む心疾患関連試薬で構成される「SPFSイムノアッセイシステム」を開発。同システムの提供を通じて、医療現場の診断・作業の効率性を飛躍的に高め、救急現場のオーバークラウディングの削減を可能にするとともに、患者の死亡率の低下、早期回復、早期帰宅に貢献できるとしている。
さらに、同システムでは、疾患に特有なバイオマーカーを正確に捉えることで、心筋梗塞などの心疾患だけでなく悪性腫瘍などさまざまな疾患に対し、精度の高い免疫検査を提供することも可能だという。
同社では、「SPFSイムノアッセイシステム」を、主に心疾患およびその関連マーカーを搭載したシステムとして、2017年の欧州への展開開始を皮切りに、欧米市場への展開を予定。今後、効率性の高い免疫検査システムを実現するとともに、検査項目の拡大により、高感度型免疫測定システムでの体外診断市場への本格参入を計画中だとしている。
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・コミカミノルタ株式会社 プレスリリース