グローバル化を目指し、プログラムはすべて英語で
京都薬科大学とバイオ医薬品サービス・プロバイダーであるパレクセル・インターナショナル株式会社が、薬学部学生向けの新たなる共同教育プログラムを11月11日に発表。臨床研究と臨床試験のマネジメントに関する7週間のプログラムで、医薬品業界でキャリアを目指す学生のためにデザインされている。世界的な医薬品開発が推進されるなか、グローバル化が求められている臨床研究や臨床試験を行う日本の医薬品企業に対するものだ。
京都薬科大学学長 乾賢一氏(右)と
パレクセル社代表取締役 中森省吾氏
パレクセル社がもつ薬事規制と臨床研究や試験に関する広範囲な専門知識、京都薬科大学がもつ高度な専門的能力と研究能力を有する薬剤師を養成する力を融合させた取り組みとなる。1クラス25人で構成された講義は、パレクセル・アカデミーから派遣された外国人講師によって英語で行われる、世界的な実施基準に沿った内容となっている。
大学の講義の中でグローバルを体感することの意義
医薬品の臨床開発はグローバル化が加速しており、国際臨床治験と国内治験の割合は、2010年当時は、ほぼ50/50だったが、2015年には70/30となる模様(パレクセル社内データによる)。学生にとってグローバルを肌で感じる機会は、留学くらいしかないが、国内で大学の講義を通し体感できれば、プラスとなるのではないかという背景のもと、パレクセル社と京都薬科大の提携が実現した。
「日本の大学では、医薬品開発における臨床研究や臨床試験マネジメントという実践的な内容については十分には教えていません。そこで今回の京都薬科大学との提携により、実用的な知識や技能を身につけてもらうための独自の教育プログラムを提供することになりました。このプログラムは、臨床研究や臨床試験の世界的な実施基準を日本で浸透させるための革新的な内容になっており、また日本が直面している医薬品開発経験者の人材不足という問題への解決策になると考えています」とパレクセル社代表取締役の中森省吾氏は、提携にあたりコメント。
一方、京都薬科大学長の乾賢一氏はいう。「京都薬科大学は、6年間の一貫した総合教育プログラムを用意し、高度な専門的能力と研究能力を有する薬剤師の養成を目指しています。グローバル化に対する関心の高まりを受け。2012年度から6年生の卒業論文は、英語によるものとしています。パレクセル社との提携を通じて実施する共同プログラムは、製薬業界、医療機関、薬事業界でのキャリアを目指す学生に大きな競争力をもたらすものと信じています」
将来医薬品開発に従事する可能性がある人材にとっては、早い段階からグローバルを感じる機会となり、このプログラムを受講した学生が、日本の医薬品開発の底上げの一助となることを期待したい。
▼関連リンク
・パレクセル・インターナショナル株式会社 プレスリリース