臨床研究中核病院は、これまでDPC病院4施設が指定されているが、質の高い研究論文が発表され、日常診療でエビデンスに基づいた診療が行われることなどから、臨床研究や治験を実施する患者のみならず、他の入院患者にもメリットがあると指摘があった。
そのため厚労省は、16年度改定において、臨床研究中核病院の指定について機能評価係数IIで評価すると共に、地域医療指数の体制評価指数について、新たに「医療法に特段の能力を有するものとして定めのある病院」の考え方を盛り込んだ上で、体制評価指数で評価する方向性を示した。
ただ、美原盤委員(脳血管研究所附属美原記念病院長)は、「臨床研究や治験は多施設共同で実施していることがほとんどで、DPC対象病院のうち4施設だけ評価することに意味があるのか」と疑問を投げかけた。石川広己委員(千葉県勤労者医療協会理事長)も「中核病院がどう保険診療と関係するか明確でなく、DPCで評価する必要性が見られない。地域医療への影響も議論していない」と指摘し、反対姿勢を示した。
その他の委員からも「まだ評価が定まっていない中では時期尚早」などとする意見が相次ぎ、次期改定での評価については引き続き議論することになった。
■後発品指数の上限70%‐DPC制度改定へ中間案
また、この日の分科会では、次期診療報酬改定に向けた中間取りまとめ案を了承した。機能評価係数IIの「後発品指数」について、骨太の方針で17年度の数量目標が70%以上と設定されたことを受け60%となっている評価上限を70%に見直すほか、持参薬の取り扱いは引き続き原則禁止とする方針を盛り込んだ。
中間まとめでは、後発品指数の評価上限が70%とされ、18年度以降に目標値が見直された場合は評価上限を検討する方針が示された。
持参薬をめぐっては、使われた全ての持参薬について使用量も含めたデータを入力することに難色を示す現場からの意見も出たが、次期改定では持参薬を原則禁止とすると共に、病院・医師の方針などの望ましくない理由での使用を認めないこととした。