「免疫治療の併用療法」が成長の鍵にぎる
アストラゼネカ株式会社は11月13日、東京支社でプレス向けに事業説明会を開催。代表取締役社長のガブリエル・ベルチ氏、研究開発本部長の谷口忠明氏、オンコロジービジネス日本代表の益尾憲氏がプレゼンテーションを行った。
画像はリリースより
ベルチ氏は、戦略的優先課題として「成長を加速」「サイエンスにおけるリーダーシップ」「働きがいのある職場」の3つを挙げた。ベルチ氏は「IMSによる企業ランキングで、2015年第3クォーターで目標の8位を上回る、第7位となった」と報告。その背景の1つが、ネキシウムやシムビコート、クレストールがトップシェアの位置にあることだとした。
同社は2015年に2型糖尿病に対する週1回投与のGLP-1製剤「ビデュリオンペン」と甲状腺がん治療薬「カプレルサ」の2剤の薬事承認を獲得した。加えて、2015年11月現在、非小細胞がん治療薬「AZD9291」、陳旧性心筋梗塞ならびに急性冠症候群治療薬の「チカグレロル」、クローン病治療薬の「ブデソニド」の3剤が申請済みだ。谷口氏は同社を成長させる鍵として「免疫治療の併用療法」を挙げた。具体的には、抗PD-L1モノクローナル製剤「MEDI4736」と、悪性中皮腫への新たな治療オプションとして期待されている「トレメリムマブ」の併用療法で、既にMEDI4736単剤療法と比較して、PD-L1陰性も含め奏効率が向上していることが分かっている。
オンコロジーリーディングカンパニーを目指す
同社パイプラインのうち、オンコロジーが占める割合は57%と半数を超えており、「オンコロジーリーディングカンパニーとしての地位を確立したい」と益尾氏は語る。「2020年までに6製品を上市する予定に加え、肺がんを中心にさまざまながん種への包括的な取り組みを行っていく」(益尾氏)
ベルチ氏は、「外部予測によれば、2020年まで医療用医薬品市場の成長率は0~1%とされている。つまり、横ばいだが、そうしたなかでも我々は毎年1ケタ%の成長を目指している。薬価改定の頻度やジェネリックの推進など、まだまだ未確定な外部要因が多いが、それでも成長できると考えている」と語った。
▼関連リンク
・アストラゼネカ株式会社 ウェブサイト