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【中央社会保険医療協議会総会】在宅での投薬数減評価を-厚労省が提案

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2015年11月16日 AM11:30


■訪問管理指導料の見直しも

厚生労働省は、11日の中央社会保険医療協議会総会に、在宅での薬剤管理に関する論点を示し、薬剤師が患者宅などを訪問して疑義照会などを行い、投薬数を減らす取り組みを新たに評価する案を提示した。

外来では、薬剤師が重複投薬、相互作用を防止する目的で処方医に疑義照会を行った場合の評価として「重複投薬・相互作用防止加算」が設けられているが、在宅業務では、残薬確認や減薬のための疑義照会に関する評価はない。

厚労省は、医師の訪問診療に薬剤師が同行した後、医師の訪問診療の前に薬剤師が単独で訪問して、薬学的に患者の状態を確認し、そこで得た情報を医師にフィードバックする取り組みを行った結果、1人当たりの投薬数や薬剤費が減少したとのデータを提示。適切な薬物療法および医療費適正化を推進するため、かかりつけ薬剤師による在宅での減薬の取り組みを評価する仕組みの導入を提案した。

支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、残薬の管理は「訪問薬剤管理指導料」の算定要件に含まれているため、改めて評価する必要はないとの考えを示す一方で、医薬品の種類を調整して減らす取り組みであれば、「その成果に対して評価することを考えたい」とした。

診療側の安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、薬剤師は最初から医薬品を減らすことを目的にするのではなく、医師と連携して重複投薬のチェックなどに取り組んだ結果として、減薬につながるという視点で制度設計を検討すべきとの考えを示した。

また、厚労省は「薬剤師1人につき1日5回」の制限が設けられている「訪問薬剤管理指導料」について、薬剤師の訪問回数に曜日ごとのバラつきがあることを踏まえ、1週間単位で制限を設けることを提案。

訪問薬剤管理指導料では、同一建物居住者に対する訪問を行った場合、夫婦の患者へ訪問薬剤管理指導業務を行っても、同一建物居住者ではない患者1人の点数よりも低くなってしまうといった問題があるため、患者が夫婦の場合であっても1人目から同一建物居住者の点数を算定できるようにする案も示した。

このほか、介護施設で薬剤師による持参薬整理や薬剤の管理の取り組みを評価することも提案した。

 

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