欧米における同剤の独占的開発権などを興和が取得
中外製薬株式会社は11月9日、同社が創製し、現在、国内において2型糖尿病を適応症として興和株式会社が販売している選択的SGLT2阻害剤「デベルザ(R)錠20mg」(一般名:トホグリフロジン水和物)の欧米における開発および販売に関するライセンス契約を、興和との間で締結したことを発表した。
同契約により、興和は、欧米における同剤の独占的開発権および販売権、ならびに同剤の合剤の独占的研究・開発権および販売権を取得することとなる。一方、中外製薬は、製剤および原薬の供給を行い、同契約の対価として契約一時金、所定のマイルストンおよびロイヤルティを興和より受領するという。なお、中外製薬は、国内において興和の他にサノフィ株式会社とトホグリフロジン水和物のライセンス契約を締結している。
ロシュ社とともに第2相国際共同治験を実施
同剤は、中外製薬が創製した選択的ナトリウム・グルコース共輸送担体2(Sodium- glucose cotransporter2:SGLT2)阻害剤で、腎尿細管におけるグルコースの再吸収を阻害することにより、血液中の過剰なグルコースを尿へ排出させ、血糖を低下させる薬剤である。
欧米における同剤の臨床開発は、2009年に、中外製薬および戦略的アライアンスを締結しているF. ホフマン・ラ・ロシュ社が実施。2型糖尿病患者、約400例を対象に、第2相国際共同治験が行われている。
中外製薬と興和は、今後同剤が糖尿病治療薬の新たな選択肢として、欧米の糖尿病患者の治療に貢献できるものと期待している。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース