この日の協議会では、プランの三つの柱と位置づける癌の予防、治療・研究、癌との共生について新たな対策案が示された。特に75歳未満の癌の死亡率を今年までに20%減少させる政府の目標について、達成が困難との見通しで、その要因として胃癌など5大癌の受診検診率が伸び悩んでいることが指摘された。
そのため、新たに喫煙率の減少に向け、たばこ税の税率引き上げ、たばこの広告・パッケージの見直しを提示。癌検診については、かかりつけ医を通じた新たな受診勧奨、市区町村で継続して確実に実施できる個別受診勧奨の方法を徹底して普及させるほか、市区町村の癌検診受診率を比較可能な形で公表したり、職域の癌検診について保険者と協力して実態を把握する取り組みに乗り出すなどの強化策を打ち出した。
また、希少癌の治療・研究に向けた取り組みについて、国立がん研究センターを事務局とした「希少がんワーキンググループ(仮称)」を設置し、個別の癌種について、最新情報の収集・提供、ガイドライン普及の検討などを行うとすると共に、病理診断の質を向上させるため、バーチャルスライドや映像を集積するデータベースの構築や病理コンサルテーションの事務局整備を行う方針を提示。適応外薬や未承認薬の開発ラグの解消を目指した研究など治療開発に取り組むことも盛り込んだ。
委員からは、希少癌の取り組みに対して、「希少癌は全体の2割。この成績を向上させることで死亡率が減少する可能性がある」と重点を置く必要性を指摘し、加速化プランの軸に据えるべきとの意見も出た。
また、「内容が盛りだくさんでは、加速化は難しいのではないか。何をもって加速化したのかを最初に明確にすべき」「今の基本計画にプラスして取り組むことを特に強調すべき」「数値目標を達成するための加速化に絞ってもいいのではないか」などとする意見が相次いだ。