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変異陽性の非小細胞肺がん治療薬「AZD9291」が優先審査品目に指定-AZ

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2015年11月10日 PM12:30

8月に国内における承認を申請から2か月で優先審査品目指定へ

アストラゼネカ株式会社は11月6日、EGFR T790M変異陽性の非小細胞肺がん治療薬「」(開発コード)について、10月29日に厚生労働省より優先審査品目に指定されたと発表した。

同剤は、「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の使用中又は使用後に病勢進行した、EGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を予定の適応として、同社が2015年8月に国内における承認申請を行った。

既存の上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)とは異なる新規の作用機序を有しており、EGFR活性化変異型EGFRに加え、EGFR-TKI治療耐性に関連するT790M遺伝子変異陽性EGFRにも不可逆的に阻害する一方で、野生型EGFRに対しての阻害作用が弱くなるよう設計された1日1回投与の新規経口分子標的治療薬だ。

海外では、米国およびEUで承認申請中であり、米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に、欧州医薬品評価委員会(CHMP)から迅速審査の指定を受けているが、11月5日時点で、同剤が承認された国はない。

7月に日本肺癌学会などが早期承認を求める要望書を提出

肺がんの国内死亡者数は年間約7万人に上り、多くの場合、診断時には既に進行または転移が認められる、予後の悪いがんの1つとされている。日本における肺がん罹患数は133,500人(2015年予測)とされ、NSCLCは全肺がんの80~85%を占め、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者は40%を占めると推定されている。

EGFR遺伝子変異陽性のNSCLCは、既存のEGFR-TKIが有効な治療手段とされているが、多くの患者は治療開始1年~1年半ほどでEGFR-TKIに対する耐性が生じ、病勢が進行してしまう。これまでの研究から、EGFR-TKIに耐性が生じた患者の約60%において、EGFR T790M耐性変異という新たな遺伝子変異が生じていることが明らかとなっている。

日本肺癌学会と肺がん患者の会「ワンステップ」は、2015年7月に、EGFR T790M変異陽性NSCLC患者が抱えるアンメットニーズを踏まえ、学術的見地ならびに人道的見地から、AZD9291の早期承認を求める要望書を厚生労働大臣宛に提出していた。

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