調査は、6年制第4期生を輩出した薬系大学をはじめ、全国の国公私立薬系大学73大学(74学部)から回答を得た。卒業生総数は8769人で、昨年度に比べて234人増加した。男女別に見ると、男性が3528人、女性5241人だった。
このうち、大学が進路を把握していた就職者は7210人で、卒業生の82.2%となった。就職率は昨年度に比べて5.9%低下し、特に男性では79.7%と8割を切った。就職しなかった人の総数は1559人で、13年度の742人、昨年度の1019人に比べて大幅に増えた。その中で、進学者が170人と、昨年度の246人に比べて約7割も減ったのに対し、非就職者と未定の人の合計は1367人と、昨年度の743人から1.8倍も増えたことが明らかになった。
非就職者と未定の人の割合は全体の15.6%を占め、1割を大きく突破した。これは、第100回薬剤師国家試験の合格率が63.17%と低かったことを反映したもので、同協議会は「このような進学者の減少と非就職者の増加は、薬学の将来にとって憂慮すべき傾向」と懸念を示している。
6年制卒業生の就職先を見ると、最も多かったのは薬局の2846人で、32.5%を占めた。ドラッグストアなどの一般販売業の405人、卸売販売業の62人を合わせると約4割に上る。次いで、病院・診療所薬局の2346人(26.8%)となった。
これに対し、医薬品関連企業に就職した人は、「開発・学術」が286人と3.3%にとどまり、「医薬情報担当者」(MR)の410人、「研究・試験・製造」の162人を含めても、合計895人と全体の約1割に過ぎなかった。行政への就職者は225人と、昨年度の198人から増加している。
昨年度と同様、多くの卒業生が患者と直接触れ合う医療現場、薬剤師免許を活用できる職種を目指しており、医療人養成を目標に掲げる6年制学科卒業生の傾向がうかがえた。
■4+2+3博士修了者、教育職への就職際立つ
一方、6年制薬学部に併設される4年制学科の第1期生で、大学院博士前期課程(修士課程)、博士後期課程を修了した(4+2+3)卒業生の進路を見ると、博士課程修了者は、国公立が183人、私立が29人で、国公立修了者の85.8%、私立修了者の79.3%は男性だった。
国公立の薬系大学院博士課程修了者の就職動向を見ると、製薬(研究・開発)が65人と最も多く、次いで大学の助教など教育職が51人、他大学や公的研究機関のポスドクなどその他が32人、化学・食品等が11人となっており、特に教育職への就職が27.9%と際立っていた。
一方、私立の薬系大学院博士課程修了者では、同様に製薬(研究・開発)が10人と最も多く、次いで化学・食品等が6人、その他が5人などとなった。私立出身者の進路は、化学・食品等を含めた企業が55.2%を占め、昨年度32.5%の割合だった教育職への就職者は6.9%と大幅に減少した。