再発または治療抵抗性のAML患者を対象に
アステラス製薬株式会社は10月29日、自社の選択的FLT3/AXL阻害剤「gilteritinib」(ASP2215)について、再発または治療抵抗性の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象とした国際共同第3相試験の最初の患者への投薬が米国で開始されたと発表した。
同剤は、がん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼであるFLT3およびAXLを阻害するもので、AML患者の最大1/3で認められるFLT3の2つの遺伝子変異、遺伝子内縦列重複変異(ITD)とチロシンキナーゼドメイン変異(TKD)の両方を阻害するという。
欧米で実施された第1/2相試験では、1日1回20~450mgの用量範囲を評価する用量漸増コホートで認められた有効性に基づき、各用量の拡大コホートが並行して実施された。2015年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された第1/2相試験の予備的な結果では、80mg以上投与されたFLT3変異陽性患者106名において、57.5%の全奏効率ならびに47.2%の複合完全寛解率(完全寛解+血小板の回復が不完全な完全寛解+血球の回復が不完全な完全寛解)が認められている。
国内では厚労省より「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定
今回の同試験は、一次治療後に再発、または治療抵抗性のAML患者を対象とした、同剤と救援療法を比較する、オープンラベル、多施設共同、無作為化試験。同試験は、骨髄あるいは全血においてFLT3活性変異が陽性であるAML患者369名を組み入れる予定。被験者は2:1の割合で同剤(120mg)と救援療法に無作為に割り付ける。同試験の主要評価項目は全生存期間。米国以外での第3相試験は、各国の準備が整ったところで組み入れを開始する予定としている。
なお、同剤は日本において、10月27日に厚生労働省より「先駆け審査指定制度」の第1回の対象品目の1つとして指定を受けた。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース