後発品の初収載薬価は、前回改定で先発品の0.6がけ、内用薬で10品目を超える場合は0.5がけに引き下げるルールが導入された。この日の部会で厚生労働省は、前回改定前に0.6がけで初収載された後発品の価格が、最初の薬価調査で26.6%も下落していたこと、薬局調査で望ましい価格水準の平均値が約5割だったことを提示。価格帯についても、「セチリジン塩酸塩錠5mg錠」が改定前の13価格帯から3価格帯に収束されたこと、薬局調査で望ましい価格体系が「一つの価格帯」との回答が最も多かったことを示した。
診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「一つの価格帯が望ましい」と指摘。支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)も「3価格帯も途中経過であり、方向性としては一つの価格帯で議論を進めるべき」との考えを述べ、1価格帯への収束を求める意見で一致した。
ただ、製薬業界代表の加茂谷佳明専門委員(塩野義製薬常務執行役員)は、日本ジェネリック製薬協会が長期収載品ではなく、後発品のみの実勢価をもとにした3価格帯に集約する制度を提案していることを挙げ、「(この提案は)将来的に1価格帯へ集約するものと理解しており、方向性としてはいいと思うが、現状は過渡的な時期であり、薬価の高い品目と低い品目は別の価格帯を設定していただきたい」と述べ、1価格帯の方向に向けた経過措置の検討を要請した。
初収載薬価についても、白川委員は、「薬価調査の結果を見てからの議論」としつつ、「下げる方向で議論すべき。10品目を超える内用薬についても、市場参入の制限を強化する内容で(0.5がけルールを)見直すべき」と強調。支払側の石山惠司委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長代理)も、「方向としては初収載薬価を下げていくべき」と同調した。
さらに、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、価格の下落幅が大きい10品目を超える内用薬について、「それだけ競争が激しく、市場が荒れている印象を受ける。これは医療にとってよくないこと」と指摘した上で、後発品メーカーの再編の必要性を強調。「後発品メーカーの再編につなげるような価格設定ができないか工夫してほしい」と求めた。
■配合剤の薬価算定見直し‐1治療と1日比べ低い方
一方、この日の部会では、薬価算定組織から、臨床上併用されない単剤を組み合わせて比較薬として配合剤を算定する場合、それぞれの単剤の1日薬価を足し合わせた額を、その配合剤の1日薬価の上限とする見直し案が示され、了承された。
ギリアド・サイエンシズのC型肝炎治療配合剤「ハーボニー配合錠」の薬価算定をめぐり、比較薬が24週投与する「ダクルインザ錠」、12週投与する「ソバルディ錠」とされたため、ダクルインザ錠の1日薬価を12週と仮定し、1治療薬価に合わせて算出。このルールに委員から疑問が示され、見直したもの。
これにより、1治療薬価と1日薬価を比べて低い方に合わせることになった。