抗PD-L1抗体とTGF-βキナーゼ阻害剤などの併用療法を検討
英国のアストラゼネカは10月22日、米国のイーライリリー・アンド・カンパニーと、固形がん治療における新規併用療法探索のため、既存のがん免疫治療における研究提携を拡大することを発表した。
拡大された契約に基づき、両社は補完的なポートフォリオ全体にわたる新たな併用療法の安全性と有効性を評価。イーライリリーが試験実施を主導し、リソースは両社から提供されるという。なお、試験の対象であるがん種ならびに財務的条件を含む同提携の詳細は開示されていない。
アストラゼネカの抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤である「durvalumab」(MEDI4736)は、イーライリリーの免疫システムを標的とするTGF-βキナーゼ阻害剤「galunisertib」、CXCR4ペプチド拮抗剤、抗CSF-1Rモノクローナル抗体などの化合物との併用が検討される。抗CSF-1Rモノクローナル抗体については、アストラゼネカの抗CTLA-4モノクローナル抗体である「tremelimumab」との評価も実施予定だ。
AZが開発中の第3世代EGFR阻害剤「AZD9291」なども
さらに両社は、腫瘍ドライバー遺伝子や薬剤耐性メカニズムを標的とする組み合わせについても検討する予定。その組み合わせは、イーライリリーの「abemaciclib」(CDK4および6低分子阻害剤)とアストラゼネカの選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレータ(SERD)である「フェソロデックス(R)」や、イーライリリーの抗血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR)モノクローナル抗体である血管内皮増殖因子受容体「サイラムザ(R)」(一般名:ラムシルマブ)および抗上皮成長因子受容体(EGFR) モノクローナル抗体である「necitumumab」の両剤と、アストラゼネカが開発中の第3世代EGFR阻害剤である「AZD9291」などである。
アストラゼネカは、がん免疫治療およびその先の治療において、革新的な併用療法を創出するため、今後イーライリリーとの研究提携の拡大により、可能性を探求していきたいとしている。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース