アムジェン社とUCB社が共同開発中のモノクローナル抗体
米国のアムジェン社とUCB社は10月12日、治験中の骨形成作用を持つモノクローナル抗体「Romosozumab」の第2相試験に付随する探索的サブスタディについて、新たな知見を発表した。なお、同研究結果は、10月12日にシアトルで開催された米国骨代謝学会(ASBMR: American Society for Bone and Mineral Research)の2015年年次総会における口演で発表されている。
Romosozumabは、タンパク質スクレロスチンの作用を阻害することにより、骨形成を増加させると共に骨吸収を減少させる。同剤はアムジェン社とUCB社によって共同開発されており、現在は大規模グローバル第3相試験において、同剤が骨折リスクを減少させる可能性についての研究が行われているが、いずれの国でもまだ承認は得られていない。
低骨量の閉経後女性の骨強度を増加させることを示唆
今回発表された小規模な探索的サブスタディのデータでは、治験中の骨形成促進剤である同剤が、オープンラベルのteriparatideよりも、投与12か月目において低骨量の閉経後女性の椎体および大腿骨近位部の骨強度を増加させることが示されたという。
これらの結果は、有限要素解析(Finite Element Analysis: FEA)法で測定。FEAとは、定量的コンピューター断層撮影(QCT)スキャンを用いた手法で、椎体強度を推定するために圧迫負荷をシミュレーションし、大腿骨強度を推定するために側方転倒をシミュレーションするもの。
同社は現在行われている大規模グローバル第3相試験プログラムを進め、2016年に最初の骨折抑制試験の結果を報告する予定としている。