ぼうしや調剤薬局城南店の薬剤師に同行し、個人宅2軒の在宅医療を見学した河野真有香さん(近畿大学薬学部5回生)は「体験前は、在宅医療の現場で薬剤師には、幅広い知識が求められると考えていた」と報告。体験後は「知識も必要だが、患者さんにいかに関心を持ち、何とかしたいとの思いで行動する姿勢が特に重要だと分かった。五感を使って見る、5領域を意識して暮らしを見ることを通じて、患者さんの生活スタイルに応じた柔軟な対応が薬剤師に求められることを学んだ」と話した。
日本調剤あべの薬局の薬剤師に同行し、介護付き有料老人ホームでの在宅医療を見学した松田仁美さん(大阪大谷大学薬学部5回生)は「体験に行く前は、大勢の患者さんに対応するため調剤過誤を起こさないことが大切であり、患者さんとの関わりがあまりないとのイメージを持っていた。実際は調剤だけでなく、医師の訪問診療に同行しカンファレンスに参加するなど、他の医療従事者と情報交換を行い、より良い医療を提供していた」と、体験を通じた認識の変化を語った。
アピス薬局高田店の薬剤師に同行し、介護付き有料老人ホームの在宅医療を見学した深町淳太さん(大阪大谷大学薬学部5回生)は「薬局実習で居宅の在宅医療は体験したが、そこでは患者宅に行く時間や行く回数が多くて薬剤師の負担は大きく、患者さんも比較的元気で、薬剤師の価値をあまり見出せなかった。今回の体験を通じて、医師や看護師らと連携し、薬の選択について医師に助言を行う薬剤師の姿を見て、その必要性を感じた」と報告した。
ABC薬局広瀬店など2店舗の薬剤師に同行した仁熊久美さん(近畿大学薬学部5回生)は、所有する文化ホールを地域のイベントに貸し出すなど、在宅医療に関わる下地作りに取り組んでいる薬局の姿勢を目の当たりにした。「病気になる前から地域の人々に薬局に来てもらえるようにしたり、勉強会などを通じて地域の医療スタッフと顔を合わせたりするなど、日頃から積極的に地域の人々と交流することの重要性を学んだ」と語った。
ミヤケ薬局本店の薬剤師に同行し、施設、居宅での在宅医療を見学した松山千容氏(大阪薬科大学薬学部5回生)は、病院の退院時カンファレンスに参加して情報を得たり、24時間体制で患者や家族からの緊急電話に応じたりしている薬局の取り組みを見聞きし、「円滑な情報共有や患者さん中心の医療が必要と学んだ」と振り返った。