進行性非機能性NET患者を対象にした試験を実施
ノバルティスファーマ株式会社は10月13日、「アフィニトール(R)」(一般名:エベロリムス)について、消化管および肺原発の進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)を有する患者に対しての第3相ピボタル試験(RADIANT-4試験)の結果を発表した。
NETは、全身のさまざまな部位に発生する神経内分泌細胞に由来する希少がん。消化管、肺、膵臓で最も多くみられる。NETには機能性と非機能性のものがあり、機能性NETはホルモンなどの物質の分泌による症状を生じる。非機能性NETでは腸閉塞、疼痛、出血など腫瘍の増殖による症状をもたらすことがある。診断時に消化管NET患者の5~44%、および肺NET患者の28%はすでに進行している状態で、これはがんが転移して治療がより困難であることを意味する。
エベロリムス群、進行リスクを52%低減
エベロリムスは、ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤。今回の第3相ピボタル試験において、無増悪生存期間の中央値はエベロリムス群が11か月であったのに対し、プラセボ群では3.9か月と、エベロリムスは進行リスクを52%低減することを示唆する結果となったという。
また、この試験の副次評価項目である全生存期間(OS)に関するデータ解析はまだ十分ではないものの、初回の中間解析ではエベロリムス群に好ましい傾向が示されており、今後更なる追加解析が計画されている。もう1つの副次評価項目は最良総合効果であり、同試験ではエベロリムスを投与した患者の64%に、少なくともある程度の腫瘍縮小が認められたのに対し、プラセボ群では26%だったという。
安全性もこの試験の副次評価項目であり、同試験における有害事象はエベロリムスの既知の安全性プロファイルと一致。グレード3/4の主な有害事象(発生率5%以上)は、エベロリムス群とプラセボ群において、それぞれ、口内炎(9.0%対0.0%)、下痢(7.0%対2.0%)および感染(7.0%対0.0%)だったという。
同試験の結果は、主要な欧州癌学会議で発表され、世界各国で規制当局に申請中としている。
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・ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース