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神経ペプチド受容体を介したヒト免疫応答調節の新たな制御メカニズムを解明-北大

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2015年10月09日 PM12:30

ヒト樹状細胞の新たな活性化メカニズム

北海道大学は10月7日、同大学遺伝子病制御研究所の北村秀光准教授らの共同研究グループが、神経ペプチドの受容体を介したヒト樹状細胞の新たな活性化メカニズムを解明したと発表した。


画像はリリースより

現在、喘息などの呼吸器疾患の治療として、一般に抗アレルギー薬やステロイドの投与が行われているが、患者によってはこれらの治療薬に抵抗性を示したり、ウイルスや細菌の感染によって慢性化・重篤化したりすることもある。難治性の呼吸器疾患に対する治療法は、十分に確立されていないため、その発症・重篤化に関する詳細なメカニズムの解明と新しい医薬・治療法の開発が望まれている。

今回、同研究グループは、健常人より末梢血リンパ球を回収し、樹状細胞及びシラカバ花粉抗原に特異的に反応するヘルパーT細胞を誘導。誘導されたヒト樹状細胞について、LPS,poly I:C、IFN-α/β、また IFN-γによる刺激を行い、その細胞表面分子の発現パターンをフローサイトメトリーで、遺伝子発現レベルを定量PCR法、また樹状細胞によるT細胞の活性化能を試験管内評価法にて解析・評価した。

難治性炎症性疾患の治療法開発へ期待

その結果、ウイルス・細菌感染を模倣する刺激後、STAT1の活性化を介してヒト樹状細胞に神経ペプチド(サブスタンスP・ニューロキニンA)の受容体(NK1R・NK2R)が発現誘導されること、神経ペプチドシグナルにより、樹状細胞の抗原提示能が制御されること、さらにシラカバ花粉抗原特異的ヘルパーT細胞の分化・誘導及び活性化に関与することを発見。さらに、・過敏性肺臓炎の患者の肺組織に浸潤している細胞にNK1R・NK2Rが発現していることもわかったという。

この研究成果により、樹状細胞における神経ペプチドのシグナル伝達経路を遮断することで過剰な免疫応答を抑制し、喘息患者の病態改善や慢性化・重篤化の予防が可能と考えられ、今後は新しい難治性炎症性疾患の治療法開発への応用も期待される。

なお、同研究成果は「Journal of Allergy and Clinical Immunology 」オンライン版に9月12日付けで掲載されている。

▼関連リンク
北海道大学 プレスリリース

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