組換え型ヒトbFGFを有効成分とする歯科用薬剤
科研製薬株式会社は10月1日、歯周組織再生剤「KCB-1D」(一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え))の製造販売承認申請を行ったことを発表した。
KCB-1Dは組換え型ヒトbFGFを有効成分とする歯科用薬剤。bFGFは生体内に存在し、細胞の増殖や分化の調節を行っているタンパク質の一種。皮膚、血管、骨といったさまざまな組織の形成に強く関与している細胞成長因子の1つで、種々の細胞の増殖作用および血管新生作用を持つことから、再生医療の分野で期待されている。
同剤の有効成分である組換え型ヒトbFGFは、遺伝子組換え技術により製造したヒトbFGFで、2001年6月に褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラスト(R)スプレー」(一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え))として科研製薬から発売されている。
塗布により、歯槽骨などの歯周組織を再生
日本では、40歳以上の約8割が歯周病に罹患していると言われている。進行した歯周炎患者には、歯周組織の破壊を阻止するために「フラップ手術」と呼ばれる外科手術が実施されることがあるが、KCB-1Dは、このフラップ手術実施時に歯周組織欠損部へ塗布することで、歯槽骨などの歯周組織を再生させることが確認されている。
国内には歯周組織の再生を効能とする医療用医薬品がなく、同剤は初めての歯周組織再生剤として、歯周炎治療の新たな選択肢となることが期待される。
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・科研製薬株式会社 ニュースリリース