緑内障・高眼圧症治療薬「カルテオロール塩酸塩/ラタノプロスト配合点眼液」
大塚製薬株式会社は10月1日、緑内障および高眼圧症治療を目的として開発を進めてきた新しい配合点眼液である「カルテオロール塩酸塩/ラタノプロスト配合点眼液」(カルテオロール塩酸塩2%とラタノプロスト0.005%含有、開発コード:OPC-1085EL)を国内で新薬承認申請したと発表した。
同剤は、有効性と安全性が確認されたカルテオロール塩酸塩2%とラタノプロスト0.005%を有効成分とする、作用機序が異なる2成分を配合した点眼液で、カルテオロール塩酸塩の眼圧下降作用の持続化剤であるアルギン酸を配合していることが特徴だ。
配合点眼液によるアドヒアランス向上に期待
ルテオロール塩酸塩は、大塚製薬が独自に創製した非選択性のβ遮断薬で、毛様体上皮における房水産生を抑制することで眼圧を下降させる。もう一つの有効成分であるラタノプロストは、プロスタグランジン関連薬(PGF2α誘導体)であり、プロスタノイドFP受容体の活性化によるぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。
ラタノプロストは1日1回点眼という利便性の良さから、現在最も使用されている緑内障・高眼圧症治療薬だが、複数の点眼液による併用治療の際は、点眼する間隔を空ける必要があり患者にとって煩雑であったことから、2成分を配合することにより利便性の向上が期待される。
同剤の主な臨床試験として、原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者を対象にラタノプロスト対照比較試験とカルテオロール塩酸塩(ミケランLA点眼液2%)対照比較試験のフェーズ3試験が行われた。その結果、同剤の眼圧下降作用は各単剤(ラタノプロスト、カルテオロール塩酸塩)に対し優越性を示し、またラタノプロストとカルテオロール塩酸塩の併用療法と同程度で、安全性に特段の問題はみられなかったという。
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・大塚製薬株式会社 プレスリリース