■再編を促す声も
中央社会保険医療協議会薬価専門部会は9月30日、2016年度薬価制度改革について、業界団体の日本ジェネリック製薬協会、日本医薬品卸業連合会から意見聴取した。GE薬協の吉田逸郎会長(東和薬品社長)は、初収載品の薬価について「先発品との価格差は既に十分なレベルにあり、さらに引き下げる必要性に乏しい」として、0.6がけを維持するよう要望。ただ、診療側委員から「メーカー数、品目数が多すぎるのではないか」と指摘され、業界再編を促す意見も出た。
吉田氏は、14年度改革で0.6がけとなった初後発品の薬価について、「これ以上、一律に引き下げた場合、収載時の薬価では採算が見込めず、成分、剤形によっては後発品が発売されなくなる恐れがある」と訴え、薬価には流通コストも含まれていることも強調した。また、既収載品薬価の3価格帯への集約により、銘柄ごとの実勢価と改定薬価の乖離が大きくなる問題が発生したと指摘。長期収載品ではなく、後発品のみの実勢価をもとにした3価格帯に集約するよう制度変更を求めた。
さらに、後発品の数量シェア80%に向け、設備投資への借入金の負担が大きいとして、改めて初後発品薬価の維持を訴えた。
一方、薬卸連の鈴木賢会長(バイタルネット会長)は、後発品の管理コストが大きく、卸物流センターの保管スペースの約4割を後発品が占めている現状を示した。また、後発品メーカーの新バーコード表示が遅れている現状も訴え、全ての医療用医薬品の変動情報を含んだ新バーコード表示の必須化を要望した。
意見陳述を受け、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は「これから後発品の使用を推進していく中で、メーカー数が多すぎるのではないか」と問題提起。これに対し、吉田氏は「各企業の努力を反映した薬価制度の実現が、より良い後発品の安定供給につながり、それを繰り返すことでメーカー数は減少する」との理論を展開したが、中川氏は「後発品メーカーの再編と品目の選別が重要。それが卸の負担にもつながるのではないか」と迫った。
白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は、「設備投資の負担等は否定しないが、新バーコード表示が遅れているのはいかがなものか」と疑問を投げかけ、「業界として取り組むべきこと、他の医療関係者、薬局、卸などに対して求めたいことを中医協に提出してほしい」と注文をつけた。