セルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパンを設立
富士フイルム株式会社は9月29日、日本で創薬支援向けiPS細胞ビジネスを展開するため、iPS細胞由来分化細胞の開発・製造・販売会社｢セルラー・ダイナミクス・インターナショナル・ジャパン｣（CDJ社）を10月1日付けで設立することを発表した。CDJ社は、まずは、富士フイルムグループの米国Cellular Dynamics International, Inc（CDI社）が製造した創薬支援向けiPS細胞由来分化細胞を輸入し、国内の大学や研究機関、企業などに販売していく予定だ。
新薬の開発において、無限増殖性とあらゆる細胞に分化する性質をもつ、ヒトiPS細胞を創薬に応用する動きが世界的に始まっている。日本では、製薬企業各社や多くの公的研究機関が協同で、iPS細胞由来分化細胞による安全性評価を医薬品開発へ応用することを検証しており、中でもiPS細胞由来の心筋細胞を用いた、安全性評価の標準化が進んでいるという。
iPS細胞由来分化細胞の開発により、再生医療の産業化へ貢献
富士フイルムは2015年5月、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーであるCDI社を買収。CDI社は、すでに創薬支援向けに心筋・神経・肝臓など12種類の高品質なiPS細胞由来分化細胞やオーダーメイド型iPS細胞由来分化細胞を販売。iPS細胞ビジネスを世界的にリードしている。
今回、同社は、国内にCDJ社を設立し、同社を通じてCDI社が製造しているiPS細胞由来分化細胞やオーダーメイド型iPS細胞由来分化細胞を提供していく予定だ。またCDJ社は、今後、国家戦略特区および国際戦略総合特区に指定されている殿町地区（神奈川県川崎市）に製造・研究開発拠点を設ける計画だという。ユーザーからのiPS細胞由来分化細胞の品質などに対するニーズを把握し、大学や研究機関、企業などと積極的に共同研究に取り組みながら、化合物探索から疾病研究、薬剤の評価など幅広く創薬支援分野へ貢献するiPS細胞由来分化細胞の開発を進めていきたいとしている。
▼関連リンク
・富士フイルム株式会社 ニュースリリース
