ジヒドロテストステロンの生成を抑制する5α還元酵素阻害薬
グラクソ・スミスクライン株式会社は9月28日、5α還元酵素1型/2型阻害薬である「ザガーロ(R)カプセル0.1mg、同0.5mg」(一般名:デュタステリド)について、「男性における男性型脱毛症」の効能・効果で承認されたことを発表した。
男性型脱毛症は、思春期以降に始まり徐々に進行する、男性においてもっともよくみられる脱毛の病型。前頭部と頭頂部の毛髪が軟毛化して細く短くなり、最終的には額の生え際が後退し頭頂部の毛髪がなくなることが特徴だ。生命に影響を及ぼす疾患ではないものの、外見上の印象を大きく左右するため、薄毛に悩む男性の心理的ストレスは強く、多くの患者が治療を望んでいる。
日本における男性型脱毛症の治療には、5α還元酵素阻害薬による内服治療及び外用育毛剤が診療ガイドラインにより推奨されている。この他には、自毛植毛術やかつら等が用いられているのが現状だ。
毛髪数の増加、硬毛数・毛髪の太さの増加等を確認
男性型脱毛症には男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)が関与しており、ザガーロは、1型及び2型の5α還元酵素を阻害することで、DHTの生成を抑制。DHT濃度を低下させることでヘアサイクルの正常化を促し、毛髪数を増加させるという。
同剤は、臨床試験において、発毛の評価指標として設定した毛髪数の増加、育毛の評価指標として設定した硬毛数及び毛髪の太さの増加等、男性型脱毛症に対する効果が確認されたという。これにより、医療用医薬品として「男性における男性型脱毛症」の効能・効果で承認を取得した。
同社はこれに先立ち、疾患啓発ウェブサイト(http://hatsumo-web.jp/)を開設。今回の承認によって、男性型脱毛症に悩む患者へ新たな治療選択肢を届けられると期待を寄せている。
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・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース