第9回日本薬局学会学術総会が26日、横浜市内で開かれ、認知症の早期発見に向けた薬局の役割が議論された。専門医の立場から岩田淳氏(東京大学神経内科学講師)は、頻繁に来局する高齢者にニュースや日付、曜日等を尋ね、雑談をしてみることが初期認知症の拾い上げにつながると期待感を示した。また、地域社会の崩壊により、独居高齢者が増え、孤立化が進んでいる問題点を指摘し、「寂しい高齢者の話し相手となる役割も大事」と強調。薬局の役割発揮を求めた。
岩田氏は、認知症診療で薬局薬剤師に期待することとして、▽認知症の人の拾い上げ▽認知症患者の内服薬の確認▽診断後の日常生活の支援――を求めた。特に、初期の認知症を薬局で見つけるため、頻繁に来局する高齢者と雑談をしてニュース、日付、曜日を質問したり、同じ処方箋を持って頻繁に来院していないか確認することをポイントに挙げた。
初期の認知症は、当たり障りのない会話では分からず、疑わないといけないと指摘。具体的には、薬局で世間話をし、最近のニュースの話題を尋ね、要領を得ない回答だった場合、認知症を疑ってみることが必要とアドバイスした。