米国にて、大鵬オンコロジーが販売
大鵬薬品工業株式会社は9月24日、新規の経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「LONSURF(R)」(日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠T15/同T20」、一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)について、米国食品医薬品局(FDA)より、追加承認を取得したと発表した。
今回FDAより承認されたのは、「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、及びRAS野生型の場合は抗EGFR抗体療法の治療歴があり、遠隔転移を有する結腸・直腸がん」の適応症。同剤は、同社が初めて米国で承認を取得した製品であり、今後、同社の米国子会社の大鵬オンコロジー Inc.が米国での販売を行う予定だ。
国際共同第3相臨床試験で有効性と安全性を確認
同剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持するという。日本では国内第2相臨床試験結果に基づき、「ロンサーフ配合錠T15・T20」の製品名で、世界に先駆けて2014年3月に承認、同年5月に発売されている。
米国において結腸・直腸がんは、3番目に患者数が多く、2番目に死亡数の多いがんとされている。今回の承認は、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800名を対象に、日本を含む13か国で実施した国際共同第3相臨床試験(RECOURSE試験)の結果に基づいたもの。同試験において、同剤投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)を有意に延長したという(HR=0.68、p<0.001)。また、安全性において特に問題となるような事象は観察されなかったとしている。
同社は、今回の承認取得が、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの新たな治療選択肢になるとして、期待を寄せている。
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・大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース