アイリーア2mg群でBCVAの改善が3年目まで維持
ドイツのバイエル ヘルスケア社は9月18日、糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)による視力障害の治療薬「アイリーア(R)」(一般名:アフリベルセプト硝子体内注射液)の第3相臨床試験であるVIVID-DME試験について、3年目の最新結果を発表した。
今回の発表は、フランス・ニースで開催された(9月17~20日)の第15回欧州網膜学会議(EURETINA)総会におけるもの。レーザー光凝固術群と比較して、アイリーア2mg群では、最高矯正視力(BCVA)の改善が3年目まで維持されたという。
DME、糖尿病網膜症(DR:diabetic retinopathy)は、糖尿病の患者によくみられる細小血管合併症。DRは、網膜の血管が障害される疾患であり、鮮明な中心視力に関与する網膜の光感知部位である黄斑部中心窩に、血漿成分が漏出することでDMEが起こる。この黄斑部における血漿成分の漏出は、高度な視力障害や失明の原因になる場合がある。
レーザー光凝固群との比較で有意な視力改善を維持
同試験の被験者は、アイリーア2mgを4週ごとに投与する群(n=136)、アイリーア2mgを4週ごとに5回投与後に8週ごとに投与する群(n=135)、対照群であるレーザー光凝固術群(n=132)のいずれかに無作為に割り付けられた。
3年目以降、レーザー光凝固群の被験者は治験実施計画書の再投与基準(PRN投与)に基づき、アイリーア2mgの投与を受けることが可能に。治療前(ベースライン)から3年目のBCVAの平均変化量は、アイリーアを4週ごとに投与した群では10.3文字、アイリーアを4週ごとに5回投与後、8週ごとに投与した群では11.7文字だった。一方、レーザー光凝固群では1.6文字だったという。
同剤は、滲出型加齢黄斑変性、DME、網膜中心静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の治療薬として承認。欧州、日本、米国では、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO:branch retinal vein occlusion)やCRVOを含む網膜静脈閉塞症(RVO:retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の治療薬として承認されている。また、日本、タイ、韓国では、病的近視における脈絡膜新生血管の治療薬としても承認されており、販売開始以来、世界で500万回以上投与されている。
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・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース