転移して治療が困難な希少がんNETの効能追加の承認を申請
ノバルティス ファーマ株式会社は9月18日、「アフィニトール(R)錠2.5mg、同5mg」(一般名:エベロリムス)について、消化管または肺を原発部位とする神経内分泌腫瘍の効能追加の承認申請を行ったと発表した。
神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumors: NET)は、身体機能を調節するさまざまなホルモンを生成・分泌する細胞から生じる希少がん。消化管NET患者の最大44%、肺NET患者の28%が、既に進行している状態、つまり、がんが転移して治療が困難となった状態で診断されており、治療選択肢が限られていることが問題となっていた。
第3相臨床試験により、有効性と安全性を検証
同剤は現在、120か国以上で承認されており、腎細胞がん、膵神経内分泌腫瘍、乳がん、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫に対する治療薬として使用されている。国内では、2010年1月に「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」、2011年12月に「膵神経内分泌腫瘍」、2012年11月に「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫および結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」、2014年3月に「手術不能または再発乳がん」を効能または効果として承認を取得している。また、「アフィニトール分散錠」については、2012年12月に「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」を効能または効果として承認されている。
今回の申請は、第3相臨床試験(RADIANT-4試験)の有効性データに基づくもの。消化管および肺原発のNET患者を対象とした同試験において、アフィニトール投与とベスト・サポーティブ・ケア(BSC:最適な支持療法)を受けた患者で、無増悪生存期間(PFS)がプラセボ+BSC群と比べて有意に延長されたことから、アフィニトールの医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請をしたとしている。
同社は今回、同剤の効能追加承認申請をしたことで、NET患者に新たな治療選択肢が与えられるものと期待を寄せている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース