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心不全治療用の再生医療製品「ハートシート」の条件及び期限付製造販売承認を取得-テルモ

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2015年09月25日 PM12:30

心不全治療用の再生医療製品として世界初

テルモ株式会社は9月18日、再生医療等製品として申請していたヒト(自己)骨格筋由来細胞シート「」が、厚生労働省より条件及び期限付承認を取得したと発表した。


画像はリリースより

ハートシートは、新エネルギー・産業技術総合開発機構()のプロジェクトで、大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科の澤芳樹教授が開発を進め、臨床研究が実施されてきたもの。テルモは、大阪大学との共同研究を進め、先端医療開発特区「スーパー特区」の「細胞シートによる再生医療実現プロジェクト」に参加していた。

心筋再生医療については、同社は2007年より細胞シートの開発に着手。2012年から国内3医療機関で7例の治験を実施し、2014年に完了。その後、2014年10月30日に、厚生労働省へ再生医療等製品として、ハートシートの製造販売承認申請を行っていた。

60例の有効性情報や、既存治療との比較における優位性の確認などが条件

ハートシートは、虚血性心疾患による重症心不全を対象とした製品。まず、患者の大腿部より筋肉組織を採取し、組織内に含まれる骨格筋芽細胞を培養してシート状にする。その後、シートを患者の心臓表面に移植することで、重症心不全の病態改善が期待できるという。培養する細胞は患者自身から採取する自家細胞のため、拒絶反応がないことが特徴だ。

今回の条件及び期限付承認では、「60例における治療の有効性に関する情報」、「既存治療を行う群(120例)との比較で生存率における優位性の確認」、「5年以内に承認申請を行うこと」が条件となった。

なお、ハートシートの効能・効果は、対象とする心不全の状態が、NYHA心機能分類がIII又はIV度で、安静時における左室駆出率が35%以下、という基準をすべて満たす、薬物治療や侵襲的治療を含む標準治療で効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の治療、となっている。

▼関連リンク
テルモ株式会社 プレスリリース

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