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開発中の腫瘍溶解性ウイルスの米国第1相臨床試験結果を発表-タカラバイオ

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2015年09月17日 AM06:00

単純ヘルペスウイルス1型の弱毒化株であるHF10について

タカラバイオ株式会社は9月14日、現在臨床開発を進めている腫瘍溶解性ウイルスHF10について、9月27日にオーストリア・ウイーンで開催される第40回欧州臨床腫瘍学会にて、米国で行われた第1相臨床試験の結果を発表すると、ニュースリリースで公表。発表要旨を公表した。

HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示すもの。このようなウイルスは腫瘍溶解性ウイルス(oncolytic virus)と呼ばれている。同社はメラノーマを対象に米国で第2相臨床試験を、メラノーマなど固形がんを対象に日本で第1相臨床試験を行っている。

今回発表されるのは、米国で行われた第1相臨床試験の結果で「表在性病変を有する難治性がん患者への腫瘍溶解性ウイルスHF10の投与による遅発性腫瘍縮小効果および安全性評価結果」と題し、安全性、有効性を報告する予定としている。

標評価可能な9例のうち6例がoverall SDでメラノーマに顕著な効果示す

安全性については、重篤な有害事象は見られず、因果関係を否定できない有害事象は、評価可能な24例のうち9例あったが、いずれも副作用のグレードが2以下であったこと、HF10投与前の抗HSV-1抗体の有無は副作用に影響しなかった。

また有効性については、評価期間(初回投与から10週間)においては、評価可能な24例のうち、7例がlocal SD(投与部位で安定)、8例がoverall SD(非投与部位も含めて安定)であったこと、メラノーマの患者においては、評価可能な9例のうち6例がoverall SDでメラノーマに顕著な効果を示したこと、そのうちメラノーマの1例ではHF10投与部位の腫瘍が45%縮小し、完全奏功や部分奏功の症例はなかったという。

さらに評価期間後の経過観察において、メラノーマの3例でHF10投与後、他の治療をすることなく遅発性の腫瘍縮小効果が見られ、うち2例ではHF10投与部位の腫瘍が完全に消失したとしている。

同社は、2018年度の商業化を目標に、引き続き臨床開発を推進していくとしている。

▼関連リンク
タカラバイオ株式会社 プレスリリース

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